2025年9月26日金曜日

ダム湖が生き物の“新しいすみか”に ~河川水辺の国勢調査34年間の成果を分析~

9月も後半となり、暑さはだいぶ和らぎましたでしょうか。確かに夏の盛りと比べると過ごしやすくなった感がしますよね。こうして季節はちゃんと廻っているのだなぁと感慨に浸りながら夕日を眺めつつ呑むビールは格別です。そろそろ七輪も引っ張り出してこようかな。

5年振りの国勢調査が始まったところですが、我々建設環境系の技術者にとっては「河川水辺の国勢調査」のほうがなじみ深いですよね。業務は頻繁に実施しているにもかかわらず、なかなかその成果が世間に広まらないものだと思っていたところですが、久しぶりにこうして報道発表されました。
なんでも新しい開放水面によってミサゴなどの狩場が創出されているとか、逆に外来種(特に外来魚)の分布域や個体数の増加が傾向にあることが明らかになったとのことです。ミサゴはここ沖縄にもいるんですよね。しかも沖縄は湖や1級河川が存在しないこともあって、ダムの存在はとても貴重です。まさに開放水面が創出されたことによる影響をみるのにうってつけのフィールドなのではないでしょうか。

カワウ?
【沖縄県石垣市 真栄里ダム】

ダム湖が生き物の“新しいすみか”に
~河川水辺の国勢調査34年間の成果を分析~

令和7年9月24日

平成2年度から「河川水辺の国勢調査」を実施しています。
初の試みとして、最新(令和5年度)の調査結果をこれまでのデータとあわせて分析し、特徴をとりまとめました。
今回の分析により、ダムの整備によって出現したダム湖において、新たな生き物の生息環境が創出され、継続的に利用されていることが分かりました。一方で、外来生物の影響等も明らかになりました。

○ 国土交通省では、河川環境の整備と保全を適切に推進するため、河川・ダムにおける生物相を定期的、
 継続的、統一的に把握することを目的として、平成2年(1990年)度より「河川水辺の国勢調査」を実施しています。
  本調査は、全国一級水系の国管理区間の河川、及び国・水資源機構管理のダムを主な対象としており、
 これまでの34年間にダムでは約1200調査を実施しています。
  ※河川調査結果の分析は5月に公表済。(https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo04_hh_000266.html

○ これまでの調査結果から生物相の変化傾向を分析し、特徴をとりまとめました。

                とりまとめ(抜粋)

○ 分析結果の詳細については別紙をご参照ください。

○ 引き続き経年的な分析を行い、ダム及び河川の環境管理に活かしてまいります。
  ※令和5年度の調査結果の概要については、河川環境データベースをご覧下さい。 (https://www.nilim.go.jp/lab/fbg/ksnkankyo/mizukokudam/download/R05.htm
 
 

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

2025年9月12日金曜日

洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン

9月になりましたがまだまだ暑いですね。しかし吹く風が秋の気配を乗せてどことなく和らいでいるようにも感じます。
それにしても11月4日(火)の合格発表まで長いですね。手ごたえのあるひともないひとも、試験のことはいったん脇に置いて業務に邁進しておられることと思います。
それでも早くも気持ちを切り替えて来年の試験に向けてどうにかしたいとお考えのひとはぜひ早めに着手してこれから1年弱の期間をシッカリ筆記試験対策に充ててください。きっと来年のいまごろは成果が実感できていると思いますよ。そんなかたを応援しています。

来年の試験といえば、標記のとおり、洋上風力発電の環境アセスに関するガイドラインが公表されました。モニタリングに関してのものです。項目や手法、データの取り扱いについてのガイドラインが示されており、まさに選択科目Ⅱ-2で問われそうな内容ですよね。
つい先日には秋田県沖や千葉県沖の洋上風力発電事業から事業者が撤退するというニュースも駆け巡りました。目まぐるしく変化する世界情勢もあり、事業化はなかなかハードルが高いということをあらためて実感しているところですが、いまのところ現段階では国土交通省も洋上風力発電を推していますから、近いうちに建設部門建設環境でも問われそうです。ぜひチェックしておいてください!

NHK総合のクローズアップ現代で放送されました
【沖縄県うるま市】

2025年09月11日
  • 総合政策

「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」の公表及び意見の募集(パブリックコメント)の結果について

 本日、「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」を公表しました。 
 併せて、令和7年6月17日(火)から同年7月17日(木)までの間に実施したガイドラインの案に関する意見の募集(パブリックコメント)について、その結果を取りまとめました。

■ 「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」の公表について

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、電源の脱炭素化が鍵であり、また、2030年までに生物多様性の損失を止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)という目標達成に向けて、環境への適正な配慮を確保しつつ、地域との共生を図りながら、再生可能エネルギーの最大限の導入を促すことが重要です。
 このうち、洋上風力発電所の導入に関しては、これまで国内における実績が少なく、知見が十分に蓄積されていないことから、環境影響評価の場面においても、様々な懸念の声が上げられています。「風力発電事業に係る環境影響評価の在り方について(一次答申)(令和6年3月 中央環境審議会)」において、洋上風力発電事業の環境影響に係る不確実性に対応する観点から、事業者の事業実施や継続に係る予見可能性を確保しつつ、工事中及び稼働中における実際の環境影響を把握するためのモニタリングを実施することが重要であるとされました。さらに、モニタリングの実施によって環境影響に係る科学的知見の充実を図ることで、我が国全体での洋上風力発電事業の環境負荷の低減と、事業実施の際に必要となる環境保全措置の最適化を図り、将来的により環境に配慮した洋上風力発電事業の推進に資することが期待されるとされました。
 このような背景から、令和6年7月、環境省と経済産業省では、「洋上風力発電におけるモニタリング等に関する検討会」を設置し、事業者の予見可能性の確保の観点を踏まえ、海外の動向や最新の科学的知見を基に、国と事業者の役割分担を含めたモニタリングの内容、環境配慮の確保に向けたモニタリング結果の活用方法等について整理し、「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン」を作成しました。

■ 意見の募集(パブリックコメント)の結果について

 令和7年6月17日(火)から同年7月17日(木)までの間に実施した「洋上風力発電所の環境影響に係るモニタリングガイドライン(案)」の意見募集の結果は下記のとおりでした。頂いた御意見とそれに対する考え方については別添3を御参照ください。

(1)意見募集期間:令和7年6月17日(火)から同年7月17日(木)まで
(2)告知方法:電子政府の総合窓口(e-Gov)及び環境省ホームページに掲載
(3)意見提出方法:電子政府の窓口(e-Gov)意見提出フォーム又は郵送
(4)意見提出数:20通(意見の件数71件)

2025年8月30日土曜日

環境インフラ海外展開基本戦略(令和7年版)

それにしても毎日暑いですね。
ここ亜熱帯地方の沖縄はもちろん暑いわけですが、先週、東京出張がありまして、しばらく都会で過ごすことになりました。まるでオーブンのなか、あるいはオーブンの扉を開けたときの熱い空気、コンクリートジャングルとはこのことか、というばかりにどこも暑かったです。冷房が効いた屋内以外は逃げ場ナシですね。沖縄と比べても段違いに東京のほうが暑かったです。気づくとそれなりに長く生きているわけですが、いままでこんな経験はしたことがありません。クーラーとか空調服とか暑さ対策に便利なものが普及するとともに、環境温度も上がっているのがなんとも皮肉なように感じました。
そういうことで、とうとうわたしも外を歩くときは日傘を差すようになりました。日焼けは今更気にしないのですが、とにかく日陰が欲しいですもんね。

7月の筆記試験直後からわたしの講座で開催している令和7年度試験の再現論文コメント添削ですが、お盆が明けてから申し込みがだいぶ落ち着いてきました。
とにかく、論文のデキに手ごたえがあるひともどこが良くてどこが弱点なのかを把握しておくことは次のステップである口頭試験に役立つだけでなく、業務や後輩への指導などにもなにかしらのプラスの気づきを得ることができると思います。
いまいち自信がないと感じているひとでも意外と必要事項は抑えていることを指摘できることもありますし、やっぱり合否微妙な判定となるひとでも、どこがどういうふうに至らないのかをしっかり把握することは、次年度以降の試験対策にとってかけがえのない自分だけの重要資料となるはずです。ぜひご自分の試験対策に第3者目線を積極的に取り入れてください!詳しくはこちら。

灼熱スクランブル
【東京都渋谷区】

2025年08月29日
  • 地球環境

環境インフラ海外展開基本戦略(令和7年版)の策定について

環境省では、「環境インフラ海外展開基本戦略(令和7年版)」を策定しましたので、お知らせします。

■ 背景

 世界は現在、気候変動・生物多様性損失・汚染という三重の危機に直面しています。特に東南アジア等のグローバルサウス諸国では、人口・経済力の拡大に伴い、環境インフラ導入が進展しています。
 2017年に策定された旧戦略では、官民連携プラットフォームの設立(環境インフラ海外展開プラットフォーム)や270件を超えるJCMプロジェクトの実現(JCM(二国間クレジット制度)について | 地球環境・国際環境協力 | 環境省)など、一定の成果を挙げてきましたが、競争力、ルールメイキング、官民連携、ファイナンス等の課題が引き続き存在しています。
 また、2024年12月には、経協インフラ戦略会議において、政府の「インフラシステム海外展開戦略2030」(経協インフラ戦略会議 インフラシステム海外展開戦略2030決定以降の開催状況(令和6年12月~))が決定され、環境分野においても国際展開の強化が求められています。

■ 戦略のビジョンと3つの柱

 グローバルサウス諸国を共創のパートナーと位置づけ、環境インフラの海外展開を推進することは、国際協調による世界の脱炭素・環境改善への貢献と、我が国の環境産業の持続的成長の両面において重要です。
 3つの戦略の柱(①制度的基盤構築、②国際環境インフラ市場の形成、③互恵的パートナーシップの強化)を推進することで、グローバルサウスにおける高い生活の質(Well-being)をもたらす環境インフラ市場の形成と、我が国においても“新たな成長”の実現を図ります。

 今後、改訂した戦略に基づき、引き続き質の高い環境インフラの海外展開を進め、途上国の環境改善や、気候変動対策の促進等に貢献してまいります。

 詳細については、「環境インフラ海外展開基本戦略」(別添)を御参照ください。

2025年8月5日火曜日

令和8年度技術士試験対策 添削講座を開講しました

令和7年度の筆記試験から早くも2週間が経ちました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日より令和8年度の試験に向けた添削講座を開講いたします。

SUKIYAKI塾の活動と平行して綴り始めたこのブログですが、平成26年ごろからブログを訪問してくださるひとが増え始め、それに比例するように添削指導の依頼をあちらこちらから受けるようになりました。そこで平成28年から独自の添削講座を開講して受験に真剣に取り組む方のサポートを始めました。

軌道に乗った平成29年度以降、多くの受講生の皆さんとメールによる濃密なやりとりができました。受講生に恵まれたことが大きいと感じていますが、受講生の皆さんの理解の度合や伸び具合がそれはとても良い感触でした。
令和6年度筆記試験及び口頭試験合格発表後に頂いたメッセージを抜粋します。

【建設環境】
●すごろく様
おかげさまで、無事口頭試験も合格しました!
筆記試験から幾度もご指導頂き、大変ありがとうございました。
今年度、新たにすごろく様の添削を受けたことが大きかったと自分では思います。
非常に的確で、辛口のご指導コメントありがとうございました。
これから、より一層努力して、社会に貢献できるよう頑張ります。
以上取り急ぎご報告でした。
(弊社で自分以外にも建設環境部門を受験予定の者がおりまして、すごろく様の添削講座も薦めようと思いますがよろしいでしょうか。)

●すごろく様
昨日、技術士試験に無事合格しました。
模擬口頭試験では、具体的に強化すべきポイントをご教示いただき、危機感を持って本番までの日々を過ごすことができました。本当にありがとうございます。
今後も楽しく学び、働き、謙虚に成長していけたらなと思います。
本当にありがとうございました。
今後もブログを拝見させていただければと思います。

●すごろく様
本日、技術士二次口頭試験結果がありましたが、無事「合格」しておりました。
技術士試験にあたっては、経験論文の作成~口頭試験対策まで、ご指導いただき大変ありがとうございました。
周りにあまり相談できる技術者がいない中で、すごろくさんの的確なアドバイスが大変勉強になりました。
引き続き、研鑽を積み、環境部門(環境保全計画)にチャレンジしていきたいと思います。また、機会がありましたらご指導いただけますと幸いです。
この度は本当にありがとうございました。

【河川、砂防及び海岸・海洋】
●すごろく様
ご無沙汰しております。河川砂防、無事に合格しておりました。建設環境に続き、今回も、ご指導いただき誠にありがとうございました。毎回の先生の細やかなアドバイス、とても心強かったです。今後は、来年か再来年以降、総監受験を考えているので、その際はご指導をお願いできればと思っております。お忙しいところ恐縮ですが、またその時は、よろしくお願いいたします。

【鋼構造及びコンクリート】
●すごろくさま
ご報告です。この度、二次試験合格しました。
ご連絡が遅くなったこと、ご容赦ください。
朝はヘンなテンションで、何も手につかないほどでした。
2022年の11月頃から長い間、本当にありがとうございました。
大変お世話になりました。
口頭試験の前は、厳しい状況でしたが、ご指導や貴重なご助言のおかげで、何とか乗り切ることが出来ました。
次の目標に向けて、今後も努力を重ねてまいります。
改めまして、本当にありがとうございました。

●すごろくさま
昨年度、大変お世話になった○○です。
ご報告です。今回、通りました。ありがとうございました。
未だに信じられません。何度も確認しました。
妻にも確認してもらい"通ってるよね"ってことで、ご連絡いたしました。
掲示板でも話題になってましたが、自分では、今回も出題者の題意に添えていないと思っておりました。さらに、必須科目においては、最初の行にタイトルを入れ忘れるチョンボもあり絶望しておりました。
模擬面接でもお世話になりたいと思っておりますので
通知が届きましたら、お申込みします。
興奮が収まりません。乱文お許しください。
以上、よろしくお願いします。

【環境保全計画】
●すごろく様
いつもお世話になっております。
先日は技術士2次試験筆記試験に向けて、論文の添削指導をいただきありがとうございました。
無事筆記試験に合格して、以下口頭試験の対策もお願いできればと考えております。

【自然環境保全】
●すごろく様
今年度の試験について、無事に合格しておりました。
経歴的に建設環境じゃないかというような問答もあったことからすこし心配しておりましたが、無事に合格することができ、安心しているところです。
今年度も筆記試験からご指導いただきありがとうございました。
技術士試験について、来年度は受験しない予定ですが、プロジェクトをマネジメントする経験を積み始めましたら、総監にもチャレンジしたいと思います。
その際は、またご指導いただけますと幸いです。
自身の興味がある、自然環境保全科目に合格できましたので、今後のキャリアを通じて人と自然の調和する社会の実現に少しでも貢献したいという想いが、改めて強くなりました。
引き続き、慢心せずに頑張りたいと思います。
そうした活動の中で、いつか、すごろくさんとも直接お会いする機会があるとよいなと思っています。
指導いただきありがとうございました。
よろしくお願いいたします。

●すごろく様
おかげさまで、環境部門自然環境保全の筆記試験に合格しておりました。
無事に受験番号を発見できて安心いたしました。
今年度も、添削・ご指導いただき、誠にありがとうございました。
また、先ほど、口頭試験のオンライン面接にも申し込みをさせて頂きました。
引き続き、口頭試験についてもご指導いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

【総監】
●すごろく様
本日、合格通知届きました。
その節は大変お世話になりました。
ご指導のおかげです。
ありがとうございました。

など嬉しい報告をいただきました。


本サービス(添削指導アドバイス)はSUKIYAKI塾とは異なり有料でお受けします。
対象とする技術部門科目は下記の通りです。
※併願・重願の場合はそれぞれの部門科目単位で受け付けます。

●建設部門(建設環境)・環境部門(自然環境保全)・水産部門(水産資源及び水域環境)
技術士受験指導の経験は早いもので13年、そして建設環境分野、自然環境保全分野、水産水域環境分野の技術者としての業務経験は28年になりました。これまで主に沖縄県内での環境調査、環境影響評価、自主アセス(ミニアセス)に携わっております。
わたしの専門はどちらかというと自然環境に関する分野ですので生活環境の保全に関する現場感覚はやや劣るかもしれません。しかしながらこれまで添削するうえで支障はありませんでした。
また、他の科目についてもご希望であればお引き受けします。ただし専門技術に関する指導はできませんので論理構成や文章に関する指導アドバイスとなります。
なお、これまで建設環境、水産資源及び水域環境、自然環境保全以外の科目については、建設部門の都市及び地方計画、道路、河川、砂防及び海岸・海洋ののかた、環境部門の環境保全計画、環境影響評価、森林部門の林業・林産、森林土木、森林環境、水産部門の水産土木のかたを指導いたしました。
また、建設部門の鋼構造及びコンクリート、施工計画・施工設備及び積算、環境部門環境測定のかたに対しては必須科目(部門共通の問題)を中心に指導いたしました。

●総合技術監理部門
総監については科目を問いません。ただし建設-建設環境や水産-水産資源及び水域環境、環境-自然環境保全以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります。
なお、これまで建設環境、水産資源及び水域環境、自然環境保全以外では、電気電子-電気設備、土質及び基礎、鋼構造及びコンクリート、都市及び地方計画、河川砂防・海岸海洋、港湾及び空港、道路、施工計画・施工設備及び積算、上水道及び工業用水道、下水道、農業-農業農村工学、経営工学-サービスマネジメント、環境-環境保全計画のかたを指導いたしました。
ご希望のかたには、平成29年2月23日で頒布が終了した「技術士制度における総合技術監理の技術体系(第2版)」(いわゆる青本)のテキストデータを差し上げます。
なお一部内容を法律等の改正に伴い書き換えています。ただしH29年時点までのものです。とはいえだいぶ年月が経過しちゃいましたね。。。
※択一対策は、繰り返し過去問を解くことの他に、総合技術監理部門 キーワード集2024を用いてご自分でキーワードの解説集を作成するのが合格への近道です。

★お申込みはこちらからお願いします

①令和7年度筆記試験の再現論文に対するコメント評価
内容:再現論文のコメント評価を行います。総監以外は必須科目Ⅰ、選択科目Ⅱ-1、Ⅱ-2、Ⅲの合計4つ、総監は記述論文(必須科目Ⅰ-2)です。
原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
返信回数:各問題に対し、1回のコメントとそのコメントを受けての再質問・返信を1回の計2回
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
料金:4,000円

②令和7年度口頭試験対策 オンライン模擬面接
令和7年10月末の筆記試験合格発表後から受付を開始します。
令和7年度技術士第2次試験の筆記試験に合格したかたを対象に、オンライン(ZOOM)で模擬面接指導を行います。
本番さながらの模擬面接(20分程度)とその後の指導アドバイス等(30分程度)を合わせて60分程度を、日を替えて2回行うものです。
面接日時は、本番の試験日を見据えて受講者さんとわたしの都合でバランスよく調整します。
※わたしの口頭試験の再現記録(総監のかたには総監の、一般部門のかたにはR2年度に受験した環境部門の再現記録)と令和以降の口頭試験を受験したかたから提供いただいた再現記録の質問部分を抽出した質問集を提供いたします。
料金:12,000円

【令和8年度試験対策】
③出願書類作成
期間:受付完了時から令和8年度試験の受験申込期限日の7日前まで書類を受け付けます。
内容:受験申込書の記載内容と実務経験証明書(5行の業務経歴と「業務内容の詳細」)についての添削指導を行います。受験する部門科目に合致しているかの確認と令和5~6年度の口頭試験における実際の試問内容を踏まえた記述内容となるよう指導いたします。
令和8年度の様式が正式発表されるまでは令和7年度様式で添削指導を行い、令和8年度様式が発表され次第、あらためて添削指導いたします。
うまく作成できないかたには業務経歴のたな卸しと詳細業務の骨子の作成アドバイスからスタートします。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただしわたしがOKと判断したらそこで終了とすることもあります。
料金:20,000円

④筆記試験論文添削 長期コース
期間:受付完了時から令和8年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:総監以外については必須科目と選択科目を、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:35,000円

⑤筆記試験論文添削 中期コース
期間:令和8年1月から受付を開始します。受付完了時から令和8年度筆記試験日の7日前まで論文を受け付けます。
内容:総監以外については必須科目と選択科目を、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:30,000円

⑥筆記試験論文添削 短期コース
期間:令和8年4月末頃から受付を開始します。受付完了時から令和8年度筆記試験日の7日前までまで論文を受け付けます。
内容:総監以外については必須科目と選択科目を、総監については記述論文(必須科目Ⅰ-2)の添削指導を行います。過去問題に対する回答論文の添削です。原稿に赤を入れるのではなく、メールでコメントをお返しする方式です。
論文の仕上がり具合に自信がないかた、文章作成が苦手なかた、論理的思考が苦手なかた、専門技術分野が偏っているかた、それぞれに応じた指導をいたします。
※令和7年度試験の答案用紙を模したWordファイルを差し上げます。
添削回数:期間内は回数無制限です。ただし複数の論文を同時並行では添削しません。わたしが次の問題に移ってOKと判断してから別の設問に取り組んでください。
料金:18,000円

【注意事項】
●本サービスは、Gmailを使用して行いますので、Gmailの送受信が可能な環境であることが必須条件です
●本サービスに使用するファイル形式はPDFもしくはMS Wordファイルのみです。これ以外のファイルは原則として対応できません
●添削指導の対象である受験申込書や論文等はメールに添付してお送りいただきます
●メール受信後、添削コメント等を返信するまでに最大4日間の日数をいただきます
●総監については科目を問いませんが、建設-建設環境、水産-水産資源及び水域環境、環境-自然環境保全以外の科目の場合には専門技術を踏まえた管理については言及できないこともあります
●PDFの領収書は発行できますが、受講代金の10%を上乗せした代金を頂戴します
●なおインボイス発行事業者への登録は行っておりませんので適格請求書の発行はできません
●振込手数料はご負担ください

本サービス(添削指導アドバイス)をご希望されるかたは上記の内容を確認いただいたうえで下記のフォームにてお申込みください。お申込みの時点で上記の注意事項に同意いただいたものとします。

フォームを受信後、遅くとも翌日中には振込先の銀行口座をご案内するメールをGmailで返信いたします。
※3日以上経過しても返信がない場合はGmailとのやりとりが不可能な環境と思われます。その際はお手数ですがご自身で設定等を調整したうえで再度ご応募ください。

★お申込みはこちらからお願いします




2025年7月29日火曜日

水産部門 必須科目Ⅰ 大規模災害からの復旧復興業務と、水産物消費の拡大と持続可能な漁業・養殖業の両立

なんだかブログがちゃんとアップされておりませんで、技術士会HPで問題文が公表されたあとに一挙に公開するという事態になっておりますが、最後に水産部門必須科目の問題文を取り上げます。
大方の予想通り、復旧復興&水産振興がシッカリ出ましたね(ってブログ予想をサボってしまいましたが)。わたしの水産分野(水産土木)の受講生の皆さんも漁港漁場漁村の防災減災対策と水産振興策の両方とも準備しておられたのでどちらでもバッチリ書けたのではないでしょうか。

14 水産部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 2024年1月1日に石川県能登地方を震源とした最大震度7を観測した地震により,石川県を中心に富山県や新潟県において様々な被害が発生した。この地震や津波で,漁船や水産関連施設が損壊し,漁村集落が崩壊するとともに生活インフラも破壊された。さらに,海岸や海底の地盤隆起により,未だに漁港の利用や漁業の操業に大きな支障が生じている。このような状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)水産部門全般を念頭に,大規模災害対策としての復旧・復興業務を実施するうえでの課題を,技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題の中で,最も重要と考えられる課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,水産部門の専門技術用語を交えて説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と,新たに生じうる懸念事項について専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の実現において,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

出張輪島朝市
パワーシティ 輪島ワイプラザ
【石川県輪島市】

Ⅰ-2 近年,国内における水産物の消費量は減少傾向にあり,特に若年層の魚離れが顕著になっている。一方で,漁業・養殖現場では,国際市場での燃油,資材,餌料などの価格高騰により,生産コストが大幅に上昇し,従来の価格体系では採算が取れなくなっている。このため,水産業界においては,水産物の消費拡大と持続可能な漁業・養殖業の確立が喫緊の課題となっている。このような状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)水産部門全般を念頭に,水産物消費の拡大と持続可能な漁業・養殖業の両立を図るうえでの課題を,技術者として多面的な観点から3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題の中で,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,水産部門の専門技術用語を交えて説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と,新たに生じうる懸念事項について専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の実現において,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

R7年度筆記試験のコメント評価をしています。
第3者目線での評価を欲している方はぜひどうぞ。

2025年7月28日月曜日

自然環境保全 Ⅲ 生態系ネットワーク形成計画と持続的なツーリズム

「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1が生態系ネットワーク形成に係る計画、Ⅲ-2が持続的なツーリズムでした。生態系ネットワークは鉄板ですから、皆さんこちらを選択したのではないでしょうか。それにしても今回は自然公園、国立公園ものが目立ちますね。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 生物多様性の保全と持続可能な利用を図っていくうえで,生物の生態特性に応じて,生息・生育空間のつながりや適切な配置が確保された生態系ネットワークが重要な役割を果たす。生態系ネットワーク形成の重要性が指摘されている状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)ある流域圏の生態系ネットワーク形成に係る計画段階において,生物多様性の保全機能を効果的・持続的に発揮させるための課題について,環境分野における技術者として,多面的な観点から技術課題を3つ抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題の中で,最も重要と考える技術課題をその理由とともに記し,専門技術用語を用い遂行方策を含む解決策を複数示し,具体的に説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうる将来的な懸念事項とそれへの対応策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

【石川県金沢市】

Ⅲ-2 人口減少や少子高齢化が進む中で,我が国の経済再生に向け,2000年代に入り特にインバウンドによる観光収入が期待されるようになった。しかし,新型コロナウイルス感染症対策のため,国際的な人の移動が制限され,観光分野でも大きな影響を被ることになった。世界的な新型コロナウイルス感染症による危機的状況がおさまり,2023年より日本でも海外からの誘客に積極的に取り組む展開となり,安全かつ歴史や文化,自然景観に恵まれた日本には,多くの観光客が訪問するようになった。同時に観光客の集中する地域では,いわゆるオーバーツーリズムによる地域環境や地域経済に関する課題も顕在化するようになった。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)ある自然公園内の地域活性化に向けたインバウンドを呼び込む計画段階において,地域環境の保全等を考慮した持続的なツーリズム展開に取り組むための課題について,環境分野における技術者として,多面的な観点から技術課題を3つ抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題の中で,最も重要と考える技術課題をその理由とともに記し,専門技術用語を用い遂行方策を含む解決策を複数示し,具体的に説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行してもなお生じうる将来的な懸念事項とそれへの対応策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

R7年度筆記試験のコメント評価をしています。
第3者目線での評価を欲している方はぜひどうぞ。

2025年7月27日日曜日

自然環境保全 Ⅱ-2 国立公園の施設長寿命化計画策定と大規模拡張候補地の区域拡張に向けた調査

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
ナントどちらも国立公園関連でしたね(驚)。1つ目は施設の長寿命計画策定、2つめは大規模牡蠣拡張候補地の区域拡張に向けた調査でした。
自分ならどっちを選択するのか考えてみましたが、どちらもなかなか難しいですね。建設部門の技術士としては1問目の施設の維持管理モノになるか、はたまた環境調査の専門家としては2問目の調査モノにするか。。。やっぱり悩ましいですね。皆さんはスッと選べましたか?

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(青色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙2枚を用いてまとめよ。)

Ⅱ-2-1 国立公園事業施設の長寿命化対策は,自然公園等施設長寿命化計画策定指針に基づき,自然公園等施設長寿命化計画の策定と運用により推進している。ある国立公園の集団施設地区で自然公園等施設長寿命化計画を策定することになった。この業務を担当責任者として進めるに当たり,下記の(1)~(3)の問いに答えよ。なお,対象施設は次のとおりとする。

○対象施設

2025年7月26日土曜日

自然環境保全 Ⅱ-1

続きまして、自然環境保全Ⅱ‐1、4つの設問のうち1問を選ぶスタイルの、「選択科目」に関する専門知識について試される選択科目Ⅱ-1です。

○ブルーカーボン生態系
○地域生物多様性増進法
○新たな指定管理鳥獣クマ類
○国立公園のブランドプロミス

ブルーカーボンでましたね!なんと環境保全計画のほうでも出題されています!大流行りですね。知り合いの研究者もブルーカーボンに(無理やりにでも)絡めないと国のお金が回ってこないから研究が成り立たないと言ってました。
そして社会問題となっているクマ類も予想どおりでしたね(って今年は予想を掲載できませんでしたが。。。)。これまでも選択科目ⅡやⅢのほうで害獣問題は繰り返し出題されていましたから1問目か2問目でイケたのではないでしょうか。

19-3 自然環境保全【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(緑色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙1枚にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 大気中の二酸化炭素吸収源対策の選択肢としてブルーカーボン生態系に係る取組が進められている。ブルーカーボン生態系の特徴とブルーカーボン生態系による二酸化炭素吸収源対策に向けた国の取組について述べよ。

Ⅱ-1-2 令和6年4月に地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律(「地域生物多様性増進法」)が成立し,令和7年4月から施行された。「地域生物多様性増進法」について,この法律制定の背景,生物多様性の増進の定義,創設された主な措置事項等について説明せよ。

Ⅱ-1-3 ニホンジカ及びイノシシに続き,四国の個体群を除くクマ類(ヒグマ及びツキノワグマ)が新たに指定管理鳥獣に追加された(令和6年4月16日公布・施行),指定管理鳥獣制度の概要,クマ類追加の背景,今後の課題と対策を述べよ。

Ⅱ-1-4 環境省が平成28年から始めた国立公園満喫プロジェクトの取組実績を踏まえ,国立公園のブランディングを更に強化するため,令和5年6月に国立公園の4つのブランドプロミス(国立公園が来訪者・地域に約束すること)を定めた。このブランディングプロミスの概要とそれを実施し続けるための活動について述べよ。

しろくまピースとバリーバ
【愛媛県伊予郡砥部町】

R7年度筆記試験のコメント評価をしています。
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2025年7月25日金曜日

環境部門 必須科目Ⅰ 地球の3つの危機と循環型社会形成

それでは環境部門の問題文を取り上げます。まずは必須科目から。

19 環境部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 環境基本法第15条の規定に基づく第六次環境基本計画が,令和6(2024)年5月に閣議決定された。人類の活動は環境収容力を超過しつつあり,その結果,自らの存続基盤への脅威となるような,気候変動,生物多様性の損失,汚染という地球の3つの危機に直面するに至っている。この危機を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)環境部門における技術者としての立場で多面的な観点から3つの技術課題を抽出し,観点を明記したうえで,その技術課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を,環境部門の専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生ずる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

やっぱり第6次環境基本計画から出ましたね。まぁ当たり前ですが。そこから今回は3つの危機が問われました。

応用生態工学会国際シンポジウム@東京工業大学(現・東京科学大学)
【東京都目黒区】

Ⅰ-2 第五次循環型社会形成推進基本計画(令和6(2024)年8月閣議決定)では,循環経済への移行を関係者が一丸となって取り組むべき重要な政策課題として位置付けるとともに,循環型社会形成に向けた取組の中長期的な方向として,5つの重点分野を提示している。また,同計画の決定に先立って公表された令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書では,このうち3つの重点分野の趣旨が,同計画策定のポイントとして,次のとおり示されている。

①資源循環のための事業者間連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環
②多種多様な地域の循環システムと地方創生の実現
③適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進

 このことを踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)上記の3つのポイントのうち1つないし複数の中から,環境部門における技術者としての立場で多面的な観点から3つの技術課題を抽出し,観点を明記したうえで,その技術課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を,環境部門の専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生ずる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。

筆記試験の再現論文についてコメント評価をしています。
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2025年7月24日木曜日

建設環境 Ⅲ 持続可能な都市づくりと民間による新たな緑地

どんどんいきましょう。「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1がCO2排出量削減による持続可能な都市づくり、Ⅲ-2が都市における民間による新たな緑地でした。今回はどちらもやや都市計画っぽくもありますね。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 地方都市においては,市街地の拡散や人口密度の低下といった課題がみられる。このような課題を解決するため,持続可能な都市構造の実現に向けた「コンパクト・ネットワーク」の考え方に基づく取組が全国各地で行われている。以上のような状況を踏まえ,建設環境の技術者として,以下の問いに答えよ。

(1)市街地の拡散や人口密度の低下が進む地方都市において,二酸化炭素排出量の削減による持続可能な都市構造を実現するうえで,「交通」,「エネルギー」文宇あの課題を,技術者としての立場で多面的な観点から3つ以上抽出し,それぞれの観点の明記とともに,その技術課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ(解決策の1つの観点として「都市構造の集約化」を含めること)。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

【福岡県福岡市早良区】

Ⅲ-2 都市における緑地は,良好な都市環境の保全など多様な機能を有し,住民が健康で文化的な生活をするうえで不可欠な基盤である。近年,地球規模の環境問題の深刻化などから,多様な機能を有する緑地への期待が一層高まっており,公共だけでなく民間による新たな緑地の創出が期待されている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)近年,都市において対応が必要となっている技術課題のうち,市街地の整備において民間事業者が緑地の質と量を確保する取組を行うに当たり配慮すべき課題を,多面的な観点から3つ以上抽出し,観点を明記したうえで,それぞれの技術課題の内容を示せ。なお,本問における技術課題には,地球規模の環境課題や社会的な課題も含まれるものとする。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対して民間事業者が行う緑地の質と量の確保による複数の解決策を,専門技術用語を交えて示せ。ただし,施肥,剪定など植物の健全な成育のみに関する内容を除く。

(3)(2)で示した解決策に関連して生じうる将来的な懸念事項とそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

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2025年7月23日水曜日

建設環境 Ⅱ-2 着床式洋上風力発電事業のアセスと高速道路事業のコミュニケーションプロセス

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
今回は「洋上風力アセス」と「コミュニケーションプロセス」でした!
特に2問目のコミュニケーションプロセスはなかなか捻りのきいたというか設問(3)そのものを業務遂行手順として問われているように感じました。そのためこの2問目の設問(3)では「学識・専門家の助言や委員会等の設置以外の調整方策を述べよ」とあります。逃げ場がふさがれたというか、確かめたいのはそういうことじゃないんだ、という出題者の意思が感じられます。
ということはやっぱり皆さんが選択したのは洋上風力アセスのほうでしょうか。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(青色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙2枚を用いてまとめよ。)

Ⅱ-2-1 環境影響評価法に定める第一種事業に当たる着床式風力発電事業が沿岸海域で計画されている。本事業における環境影響評価について,方法書以降の手続を建設環境の担当責任者として進めるに当たり,以下の問いに答えよ。

(1)この事業の動物若しくは植物に係る環境影響評価項目を選定するに当たり,調査,検討すべき事項とその内容を(a)工事の実施,(b)土地又は工作物の存在及び供用の影響要因別にそれぞれ説明せよ。

(2)方法書の作成から準備書作成までの手順を列挙して,留意すべき点,工夫を要する点を複数述べよ。

(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

首都高速6号
【東京都墨田区吾妻橋】

Ⅱ-2-2 ある地域において,住宅地付近や自然豊かな山地部を通過する高速自動車国道の事業が計画されており,「構想段階における道路計画策定プロセス」を進めることとなった。「計画策定プロセス」に含まれるコミュニケーションプロセスは,計画の透明性,客観性,合理性,公正性を高め,より良い計画づくりを行うために重要なプロセスである。あなたは,環境面の担当責任者の立場からコミュニケーションプロセスを担うこととなった。以下の問いに答えよ。

(1)コミュニケーションプロセスのうち,「住民・関係者等の対象範囲の検討」において,把握,検討すべき事項を異なる観点から3つ以上挙げ,その内容を述べよ。

(2)「住民・関係者等の対象範囲の検討」を含め,コミュニケーションプロセスを進める手順を列挙して,それぞれの手順について留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。

(3)コミュニケーションプロセスを効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について,学識・専門家の助言や委員会等の設置以外の調整方策を述べよ。

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2025年7月22日火曜日

建設環境 Ⅱ-1

あれから早くも24時間が経ちました。業務多忙で試験を振り返る余裕がないひとが多いのではないかと思いますが、このページに来てくださるかたはお忙しいなかでも試験について振り返り、もしくは誰かと試験体験を共有したい、というお気持ちなのかなと勝手に考えています。とにもかくにも訪問くださりありがとうございます。

バッチリうまく書けて自信と期待がたっぷりなひと、問題によってはデキがいまいちだったのがあって不安でいっぱいなひと、なんとか無理やり書いたけどやっぱりたぶん無理なんだろうなと半分諦めてしまっているひと、その間を行きつ戻りつ逡巡しているひと、いろんなひとがいると思います。10月末の合格発表までの短いようでそれなりに長い期間、受験したひとだけが味わえる(味わわざるを得ない)感情の浮き沈みは貴重な体験でもあります。とにもかくにも試験が終わりましたので、頭と体を休めて気持ちをリフレッシュさせ、これからの夏本番、業務に実務に集中してください!

それでは建設環境Ⅱ‐1、4つの設問のうち1問を選ぶスタイルの、「選択科目」に関する専門知識について試される選択科目Ⅱ-1です。

○多自然川づくり
○ブルーカーボン生態系
○施工時の振動発生源対策
○建設混合廃棄物

自然環境系はどちらも水モノでしたね。陸上の乾きモノのひとはやや不利だったかもしれません。でもまぁ解答用紙1枚ぶんですから、なんとか書いてほしいと思います。生活環境系は振動とあとは建設リサイクルでしたね。こちらはまぁまぁバランスが良いと思いました。
それにしてもブルーカーボンは大流行りですよね。環境保全計画と自然環境保全のⅡ-1-1でも出題されていました(詳細は後日掲載しますね)。港湾空港のほうではグリーンインフラならぬブルーインフラが出題されていました。よかったら問題文が発表されたらチェックしてみてください。

9-11 建設環境【選択科目Ⅱ】
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)

Ⅱ-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(緑色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙1枚にまとめよ。)

Ⅱ-1-1 国土交通省の「多自然川づくり基本指針(令和6年6月改定)」による「多自然川づくり」の定義と適用範囲について説明せよ。また,「多自然川づくり」を進めるに当たって留意すべき技術的事項を複数挙げ,その内容を説明せよ。

Ⅱ-1-2 「国土交通省環境行動計画(令和3年12月)」において,温室効果ガスの1つであるCO2の吸収源としてブルーカーボン生態系の活用を推進することとされている。ブルーカーボンの定義を述べるとともに,その特徴について説明せよ。また,ブルーカーボン生態系の例を1つ取り上げ,その海域生態系でCO2が貯留される仕組みを説明せよ。

Ⅱ-1-3 道路・鉄道その他の建設事業の施工時における振動発生源を具体的に挙げ,特徴を述べよ。次に,その振動発生源に対する対策方法を複数挙げ,それぞれの対策実施における技術的留意点について述べよ。ただし,解答においては振動規制法に留意すること。なお,振動を伴う作業時間の短縮等の作業時間に関する対策は除くものとする。

Ⅱ-1-4 「建設リサイクル推進計画2020」(令和2年9月,国土交通省)において,建設副産物のリサイクル率は,年々向上してきた中で,今後はリサイクルの「質」を重視させていく方針が示されている。この推進計画の中で,「建設混合廃棄物」は,他の建設副産物と比べ再資源化・縮減率が低く,最終処分の割合が高いことが示されている。この再資源化・縮減率が低く,最終処分の割合が高い課題について,その要因を述べ,複数の対策を挙げて,具体的に説明せよ。

慶良間自然保護官事務所
【沖縄県 座間味島】

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2025年7月21日月曜日

建設部門 必須科目Ⅰ 地域の守り手と経済成長の実現

筆記試験、たいへんお疲れさまでした(^^)/
皆さん、どうでしたか?
今回も受験していないので別の形で試験に参加してきました(^^)/
沖縄会場は昨年に引き続き沖縄大学でした。やっぱりイイですね、勝手知ったる沖縄大学。AEDの設置場所やらトイレの位置やら守衛さんの詰め所も含めてぜんぶ頭に入っています(笑)。
それではこれから複数回にわたって問題文をアップいたします。
まずは建設部門の必須科目から。

今回の建設部門はどちらもそう来たか!というイイ塩梅のテーマでしたね。
もしかしたら準備していたテーマとは違ったかもしれませんが、近年の普遍的なテーマ(社会課題)ではあるのでこれまで取り組んださまざまな課題を組み合わせたらじゅうぶん対応可能だったのではないでしょうか。
そして注目の各設問の問い方ですが、昨年度に引き続き(※)の注記で「必ず観点を述べてから~」と念押しされています。ここまで書いていて無視したら知らないぞ、という出題者側の意思が感じられます。

9 建設部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 建設業は社会資本の整備・管理の主体であるとともに,災害時における「地域の守り手」として,国民生活や社会経済を支える極めて重要な役割を担っている。一方で,建設業就業者は厳しい就労条件を背景に依然として減少が著しく,他産業を上回る高齢化や若年層の不足が進行している。また,資材価格の高騰や令和6年4月から建設業にも適用された罰則付き時間外労働規則等に対応しつつ,適切に建設工事等が実施される環境づくりも欠かせない状況にある。
 こうした背景を踏まえ,令和6年6月には,担い手3法(建設業法・公共工事の入札及び契約の適正化の促進い関する法律・公共工事の品質確保の促進に関する法律)が改正されたところである。
 上記の建設業を取り巻く状況を踏まえて,持続可能な建設業を実現するために,以下の問に答えよ。

(1)我が国の社会資本の整備等の担い手・地域の守り手である建設業がその役割を果たし続けるうえで,技術者としての立場で多面的な観点から3つの技術課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その技術課題の内容を示せ。(※)
 なお,本設問における「技術課題」には,建設業における構造上,制度上,管理上等の課題も含まれるものとする。
 (※)解答の際には必ず観点を述べてから技術課題を示せ。

(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち,最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から述べよ。


おつかれさまでした!
【沖縄県宮古島市】

Ⅰ-2 第5次社会資本整備計画では,3つの中長期的な目的として「国民の安全・安心の確保」「持続可能な地域社会の形成」「経済成長の実現」が掲げられている。
 このうち「経済成長の実現」については,国際競争力強化等に資する社会資本の重点整備や地域の基幹産業の振興を支える基盤整備などの取組が進められ,近年は,観光の活性化,製造業等の国内回帰や配置・集積の見直し,DX・GX分野等の成長産業への構造転換などに対応する社会資本整備の重要性も増している。
 このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)経済成長の実現を目的として,我が国の国際競争力の強化や地域産業の振興に必要な社会資本整備を進めるに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から3つの技術課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その技術課題の内容を示せ。(※)
 なお,本設問における「技術課題」には,「経済成長の実現を目的とする社会資本整備」における制度上の課題も含まれるものとする。
 (※)解答の際には必ず観点を述べてから技術課題を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える技術課題を1つ挙げ,その技術課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策の実行により期待される波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務遂行において必要な要件を,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から述べよ。


とにかく論文の再現だけは、今日か、遅くとも明日中にはやっておいてくださいね!
毎年再現できなくて泣きを見る人がいます。

再現論文を添削評価します。よかったらどうぞ下記からお申し込みください。

2025年7月20日日曜日

総監 必須科目Ⅰ-2 記述式問題文

筆記試験、たいへんお疲れさまでした(^^)/
記述問題はなんと「少子高齢化」でしたね!
今年はわたしの怠慢で出題予想ができませんでした。しかし「少子高齢化」は予想していませんでした。とはいえ、突拍子もないテーマではなかったので皆さん結構イイ感じで書き切れたのではないでしょうか。

出題の仕方も順当でしたね。
さらに昨年度には見られなかった「異なる総合技術監理分野のトレードオフに留意すること」などトレードオフについて留意すること(言及すること)がハッキリと明記されましたね。やはり総監は(全体最適化は)トレードオフですもんね、それも異なる管理分野間のトレードオフですよね。そうこなくっちゃ、と思いましたよ。

それにしても昨年に引き続き設問(3)では「我が国として解決すべき課題と施策の観点から解答すること。」とありました。これはしばらく続くんでしょうかね。しかも今年は続けて「ここで,課題を限定せず,少子高齢化の進行そのものを広く課題として設定してもよい。」ともありました。昨年も同じことを書きましたが、どういう立場で書けばよいのか、なかなか悩ましいです(笑)。さらには「複数の視点には,総合技術監理の視点に限らず,我が国が直面する重要課題等の視点を含めて記述してもよい。」です。総合技術監理の視点に限らない、ってどういうことですか(笑)。

まぁでも択一のほうも昨年に引き続きヘンテコな出題はなかったような印象がありますので、おそらく今年度も合格率が上がるんじゃないでしょうか!

それにしても「課題先進国である」というのには腰砕けました。確かに最もな言及ですよね。

有料ですが再現論文を添削評価します。ご希望のかたは下記フォームからお申し込みください。

エアポートレトロベイビー
【沖縄県那覇市】

必須科目
Ⅰ-2 次の問題について解答せよ。(指示された答案用紙の枚数にまとめること。)

 我が国は,先進国の中で最も早く少子高齢化が進行しており,既に少子化と高齢化に伴う様々な課題が顕在化している課題先進国である。少子化の状況として,令和6年の出生数は70万人を割り込み,過去最少を更新し今後さらに減少する可能性が高いと指摘されている。一方,高齢化については,令和6年10月現在65歳以上人口が総人口に占める割合(高齢化率)が29.3%に達し,今後も伸び続けると推測されている。このような少子化,高齢化の両面の進行により,生産年齢人口(15~64歳)は,平成7年の8,700万人余をピークとし令和6年には7,300万人余まで減少し,引き続き総人口と併せて減少傾向が続くと見込まれている。
 少子高齢化の進行は,我が国経済の供給面と需要面の双方にマイナスの影響をもたらし,我が国の中長期的な経済成長を阻害する可能性がある。少子高齢化という構造的な課題に対し,従前から一億総活躍社会の実現に向けた「働き方改革実行計画」の推進,「全世代型社会保障構築会議」「こども未来戦略会議」の開催など,我が国として総合的な推進のための取組が進められてきた。これらの国策と共に企業等においても,労働生産性の向上,多様な労働力の確保などの対応が急務となっている。したがって,少子高齢化に伴う課題と施策について,総合技術監理の視点に立って検討を行うことは重要であると考えられる。
 そこであなたがこれまでに経験した,若しくはよく知っている事業(研究開発・製品製造・販売等の業務機能の集合体としての事業,個々のプロジェクトの集合体としての事業,国・地方公共団体の事業等が代表例である。)や組織(役所や法人の全体とすることも,個々の部署や事業部等とすることもできる。)を1つ取り上げ,その目的や創出している成果物等を踏まえ,少子高齢化に伴う課題と施策について,総合技術監理の視点から以下の(1)~(2)の問いに答えよ。さらに,取り上げた事業や組織の枠を超え,少子高齢化に伴う諸課題に対して我が国において取るべき施策について,以下の(3)の問いに答えよ。
 解答に当たり,事業や組織について,関連するステークホルダーや他組織との連携を含めてもよい。また,ここでいう総合技術監理の視点とは,トレードオフに留意しながら,「業務全体を俯瞰し,経済性管理,安全管理,人的資源管理,情報管理,社会環境管理に関する総合的な分析,評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う。」立場からの視点をいう。なお,書かれた論文を評価する際,考察における視点の広さ,記述の明確さと論理的なつながり,そして論文全体のまとまりを特に重視する。

(1)本論文においてあなたが取り上げる事業や組織の内容と,そこにおけるこれまでの少子高齢化への対応状況について,以下の問いに答えよ。
問い(1)については,答案用紙1枚以内にまとめよ。)
① 事業や組織の内容として,名称,目的,及び創出している成果物(製品・構造物・サービス・技術・政策等)を記せ。
② この事業や組織において,少子高齢化に伴う現在顕在化している課題とそれに対して既に実施している施策を1つ取り上げ,以下の項目をすべて含む形で記せ。
・具体的な課題と施策の内容
・その施策により期待できる効果
③ ②で取り上げた施策の問題点を記せ。

(2)この事業や組織において,少子高齢化に伴い近い将来(おおむね5年以内)に想定される課題とそれに対して導入すべきと考えられる施策の組み合わせを2つ取り上げ,それぞれについて以下の問いに答えよ。なお,想定する時期までに事業や組織の内容や形態そのものが変化することを踏まえて解答しても構わない。
問い(2)については,答案用紙を替えたうえで,まず1つ目の課題と施策について1枚以内にまとめ,さらに答案用紙を替えたうえで2つ目の課題と施策について1枚以内にまとめよ。)

① 具体的な課題と施策の内容を記せ。
② ①で記述した施策の実現により事業や組織にもたらされる効果を,理由とともに記せ。
③ ①で記述した施策を実現するうえで直面する障害とその克服策を総合技術監理の視点から記せ。ただし,2つの施策それぞれについて,総合技術監理の5つの管理分野のうち2つ以上の視点を含むこととし,異なる総合技術監理分野のトレードオフに留意すること。また,解答欄にはどの分野の視点であるかを明記すること。

(3)我が国における少子高齢化に対する課題と,あなたが有効と考える施策の組合せを2つ取り上げ,それぞれについて以下の問いに答えよ。なお,問い(3)では,事業や組織の枠を超え,我が国として解決すべき課題と施策の観点から解答すること。ここで,課題を限定せず,少子高齢化の進行そのものを広く課題として設定してもよい。
問い(3)については,答案用紙を替えたうえで,まず1つ目の課題と施策について1枚以内にまとめ,さらに答案用紙を替えたうえで2つ目の課題と施策について1枚以内にまとめよ。)
① 取り上げる少子高齢化に関する課題とあなたが有効と考える施策を記せ。
② ①で記述した施策に関し,想定する今後の世界情勢の変化,技術革新の進展,経済財政政策や厚生労働政策の動向,予算の制約等の背景を含めて,その有効性と実現性について記せ。
③ ①で記述した施策を実現するうえでの最も重大な障害とその克服策を複数の視点に留意して記せ。なお,複数の視点には,総合技術監理の視点に限らず,我が国が直面する重要課題等の視点を含めて記述してもよい。

ーーーーーーここまでーーーーーー
7/22(火)に、技術士会HPにて択一の正答が発表されました。
昨年度から翌々日の発表になっていますね。昔はあーだこーだ喧々諤々するのが楽しみではあったのですが(笑)

2025年7月10日木曜日

令和7年版国土交通白書 ~みんなで支え合う活力あふれる社会を目指して~

7月に入り、勤め先の所属部署が変わり、本業のほうで忙殺されておりました。
わたしの講座の受講生の皆さんからも添削依頼が殺到し嬉しい悲鳴を上げています(笑)。

ということでブログの更新が後回しになってしまいました。試験目前にもかかわらず情報発信できずスミマセン。

国土交通白書、例年だと7月だったと思うのですが6月中に公表されていましたね。
テーマは「みんなで支え合う活力あふれる社会」とのことで、ようは「担い手不足」をみんなで力をあわせて乗り越えよう、ということみたいですね。建設部門に限らずあらゆる部門(総監含む)でも直接/間接に問われているテーマですよね。概要だけでもざっと目を通して、目についたキーワードを拾っておくと試験本番で思わぬ威力を発揮するかもしれません。

祭りの担い手も
概要では首里城復元事業とか物流とかで沖縄ネタが取り上げられていますね
【沖縄県那覇市 首里城公園】

「令和7年版国土交通白書」を公表します。
~みんなで支え合う活力あふれる社会を目指して~

令和7年6月24日

 

国土交通白書は、国土交通省の施策全般に関する年次報告として毎年公表しています。今回の白書は、「みんなで支え合う活力あふれる社会」をテーマとして、担い手不足等によるサービスの供給制約を取り上げています。
サービスの担い手不足等、供給制約の課題を整理した上で、行政や民間によるサービスの維持・存続に向けた取組として、担い手の確保、省人化・省力化技術の利活用など供給者側の取組に加え、需要者側の理解や協力の下で取り組むサービスの合理化等、サービスをできるだけ維持するための工夫等を広く取り上げ、みんなで支え合いながら、活力あふれる社会を目指す姿を展望しています。

本白書の概要は、以下のとおりです。

第I部 みんなで支え合う活力あふれる社会を目指して
​​ 国土交通分野における担い手不足等によるサービスの供給制約の​現状と課題
  第1節 担い手不足等によるサービスの供給制約
  第2節 サービスの供給制約に対する国民意識
 国土交通分野における取組と今後の展望
  第1節 国土交通分野における施策の新展開の萌芽
  第2節 望ましい将来への展望

第II部 国土交通行政の動向
 国土交通行政の各分野の動向を政策課題ごとに報告

2025年6月17日火曜日

令和6年度 水産白書「海洋環境の変化による水産業への影響と対応」

環境白書に続いて水産白書がリリースされました。
特集テーマは「海洋環境の変化による水産業への影響と対応」です。
これまでも必須科目でたびたび問われていますよね。昨年度も「地球温暖化対策」が問われました。しっかりチェックしておいてください。
先月末から今月頭にかけて北海道は函館市に滞在していたのですが、ちょうど6月1日からスルメイカ漁が解禁になり、とれたてイカを楽しみにしていたのですが、解禁日の水揚げが3杯だったそうで、なんと史上初めて初セリの開催が中止となるという前代未聞の事態となっていました(全国ニュースでも取り上げられていましたね)。
これも気候変動の影響で水温変化、潮流変化による漁場の変化の影響なのでしょうか。。。。

●水産分野における気候変動適応
●脱炭素・カーボンニュートラル
●海業による漁村の発展
●能登半島地震からの復旧復興
●赤潮被害とその対策

これらはそれぞれ独自のものではなく複雑に関連しあっています。ちなみに昨年の白書では海業が特集され、その翌月の筆記試験(Ⅰ-2)では海業の推進が問われました。昨年も地球温暖化対策が出題されたとはいえ、切り口を変えて出題される可能性は高いと思います。
とにかく上記分野からは何が問われても柔軟に回答できるよう、ふだんから技術力を磨いておいてください!

金森赤レンガ倉庫前
【北海道函館市】

プレスリリース

令和6年度 水産白書を本日公表

令和7年6月6日
水産庁
~特集テーマは「海洋環境の変化による水産業への影響と対応」~

本日、「令和6年度水産白書」が閣議決定されました。

今回の白書では、「海洋環境の変化による水産業への影響と対応」を特集として取り上げているほか、トピックスとして令和6年能登半島地震からの復旧に向けた動き、漁業法及び水産流通適正化法の一部改正、赤潮による被害の継続の3つを記述しています。

この白書を通して、広く国民の皆様にご関心を持っていただき、我が国の水産業について理解してもらうことを目指しています。

1.令和6年度水産白書の概要

水産白書は、水産基本法に基づき、政府が毎年、国会に報告しているものです。
近年、我が国近海の平均海面水温が上昇するなどの海洋環境の変化により、サンマ、スルメイカ、サケといった主要な魚種の不漁が長期化しています。こうした海洋環境の変化の影響に対応するため、各地では様々な取組が行われる中、今回、「海洋環境の変化による水産業への影響と対応」を冒頭の「特集」のテーマに選定し、こうした現状に対する多くの先行事例や施策等を紹介しています。

「令和6年度水産白書」は、以下のURLで御覧になれます。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/index.html

2.内容のポイント

令和6年度水産の動向

特集 海洋環境の変化による水産業への影響と対応
我が国近海での平均海面水温の上昇、海洋熱波発生の顕在化、黒潮大蛇行、海洋酸性化の進行等我が国近海を中心とした海洋環境の変化の状況等について記述

トピックス
1.令和6年能登半島地震からの復旧に向けた動き
2.太平洋クロマグロを想定した漁獲量等の報告義務の確実な履行を図るための漁業法等の改正
3.赤潮による被害の継続

第1章 我が国の水産物の需給・消費をめぐる動き
水産物需給・消費・貿易の動向等について記述

第2章 我が国の水産業をめぐる動き
漁業・養殖業の国内生産・経営・就業者の動向、水産物の流通・加工の動向

第3章 水産資源及び漁場環境をめぐる動き
我が国の資源管理、実効性ある資源管理のための取組、漁場環境をめぐる動き等について記述

第4章 水産業をめぐる国際情勢
世界の漁業・養殖業生産、世界の水産物貿易と国際情勢、国際的な資源管理等について記述

第5章 漁村の活性化をめぐる動き
漁村の現状と役割、海業の推進等

第6章 大規模災害からの復旧・復興とALPS処理水の海洋放出をめぐる動き
水産業における東日本大震災からの復旧・復興の状況、ALPS処理水の海洋放出による影響と対策、令和6年能登半島地震の被害状況と政府等の対応等

令和7年度水産施策

水産基本計画、令和7年度予算等に基づく施策の概要を整理

添付資料

報道発表資料(PDF : 1,145KB)

2025年6月7日土曜日

令和7年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

本日はSUKIYAKI塾沖縄でいごの会主催の筆記試験対策セミナーが開催されています。残念ながらわたしは北海道滞在中なので参加できていません。受講される皆さんが多くの気づきを得られますように。
そしてセミナーに直接参加できないかた向けに、沖縄でいごの会ではセミナー動画を販売しています。

SUKIYAKI塾沖縄でいごの会
https://sukiyaki-okinawa.jimdofree.com/

6月に入り1週間が経ち、環境白書がリリースされました。まだ中身は確認していませんが、報道発表の内容を見る限りでは例年フィーチャーされる新たなキーワードは見当たりませんでした。令和6年版同様に第6次環境基本計画そのままといった感じです。課題自体はここ数年と同様で新しい感じは受けないかもしれませんが、環境部門のかたはひととおりチェック、建設環境や総監のかたは概要やキーワード、そして考え方などはチェックしておくとよいと思います。

環境政策が目指すべき社会の姿として、「循環共生型社会」の構築を掲げ、現在のみならず、将来にわたって「ウェルビーイング/高い生活の質」をもたらす「新たな成長」の実現を目指すためにはどうすべきか?が問われると思います。特に環境部門の場合は。

世界文化遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群 大船遺跡
【北海道函館市】

2025年06月06日
  • 総合政策

令和7年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の公表について

令和7年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は本日令和7年6月6日(金)に閣議決定されたため公表いたします。

■ 令和7年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のテーマ

「新たな成長」を導く持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築

 私たちの暮らしは、食料や水の供給、気候の安定など、自然から得られる恵みによって支えられています。しかし今や、人類の活動は、地球の限界を超えつつあり、自らの存続の基盤である自然環境を破壊し、気候変動や生物多様性の損失、深刻な環境汚染など様々な環境問題を生じさせています。このような複合する環境危機を克服し、環境のもたらす恵みを将来世代まで引き継いでいくためには、現在の経済社会をネット・ゼロで、循環型で、ネイチャーポジティブが統合されたものへと大胆に変革していくことが必要不可欠です。昨年5月に閣議決定した第六次環境基本計画では、環境政策が目指すべき社会の姿として、「循環共生型社会」の構築を掲げ、現在のみならず、将来にわたって「ウェルビーイング/高い生活の質」をもたらす「新たな成長」の実現を目指すことを打ち出しました。

 本白書では、「新たな成長」を導くグリーンな経済システムの構築をテーマに、昨今の環境の状況、施策等を交えて概説しています。


■ 令和7年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のポイント

  •  第1章では、国内外の気象災害、環境問題による経済的影響を考察し、我が国の地球温暖化対策の目指す方向性を示すと共に、近年拡大するサステナブルファイナンス、環境情報開示等の「新たな成長」を導いていく経済活動の取組、環境とビジネスの動向について解説しています。
  •  第2章では、気候変動、生物多様性の損失及び汚染という相互に関係する3つの世界的危機に対し、最新の動向や施策を紹介すると共に、課題の相互依存性を認識して循環経済・自然再興・炭素中立等政策の統合、シナジーを図ることの重要性を紹介しています。
  •  第3章では、第六次環境基本計画において、環境・経済・社会の統合的向上の実践・実装の場として位置付けた「地域循環共生圏」の更なる発展を図ると共に、人々の暮らしを、環境をきっかけとして豊かさやウェルビーイングにつなげ得る取組について紹介しています。
  •  第4章では、東日本大震災や原発事故、能登半島地震の被災地の環境再生の取組の進捗や、復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を紹介しています。


■ 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の特色

  •  環境白書、循環型社会白書及び生物多様性白書の3つの白書は、法律にのっとってそれぞれ国会へ提出する年次報告書ですが、環境問題の全体像を分かりやすく示すために3つの白書を合わせて編集し、1つの白書としてまとめています。
  •  印刷工程の電力使用に伴い発生する二酸化炭素(CO₂)は、「オフセット・クレジット制度(J-クレジット制度、J-VER制度等)」に基づき発行された東日本大震災における被災地のクレジットを購入し、オフセットしています。


■ 白書の閲覧及び冊子の入手方法

(1)環境省ウェブサイト http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/

PDFデータで掲載します。なお、HTML形式のデータについては、令和7年7月上旬以降、同ウェブサイトに掲載する予定です。

(2)冊子の入手方法

① 単行本
政府刊行物センターや政府刊行物取扱書店等で購入することができます(1部2,728円(税込、予定価格)、令和7年6月中下旬発売予定)。
入手方法等については、発行元の日経印刷株式会社第一営業部(03-6758-1011)までお問合わせください。

② 電子書籍
電子書籍版Kindle及び楽天Koboにて、1年間無料配信予定(令和7年7月中下旬配信予定)。


■ 今後について

 環境省では、白書に関する様々なことにお応えするために、以下のように取り組んでいきます。

(1)「白書を読む会」を開催します。詳しい内容については別途報道発表にてお知らせします。

(2)英語版は、環境省ウェブサイト(URL)に本年秋頃をめどに掲載を予定しています。