2024年7月21日日曜日

環境部門 必須科目Ⅰ ネイチャーポジティブの実現に向けて定められた基本戦略と脱炭素実行地域づくり

それでは環境部門の問題文を取り上げます。まずは必須科目から。

19 環境部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 2022年12月にカナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では,2010年に採択された愛知目標の後継となる,2030年までの世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され,各国はそれを踏まえ生物多様性国家戦略を策定・改定することが求められた。我が国では,これに先立ち生物多様性国家戦略の見直しの検討が進められ,令和5(2023)年3月31日に「生物多様性国家戦略2023ー2030」が閣議決定された。
 この中で,2030年のネイチャーポジティブの実現に向けて定められた5つの基本戦略の中に,次の3つが示されている。
 ① 生態系の健全性の回復
 ② 自然を活用した社会課題の解決
 ③ ネイチャーポジティブ経済の実現
 これらの3つの基本戦略について,以下の問いに答えよ。

(1)上記3つの基本戦略から1つ選び,技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題の中で,最も重要と考える課題をその理由とともに記し,課題に対する複数の解決策について専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策を示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から必要な要件・留意点を題意に即して述べよ。

建設部門と同様、課題は「それぞれの観点を明記」することが求められていますね。

フクギによる防風効果
【沖縄県島尻郡渡名喜村 渡名喜島】

Ⅰ-2 地域が主役となる,地域の魅力と質を向上させる地方創生に資する地域脱炭素の実現を目指し,特に2030年までに集中して行う取組・施策を中心に,工程と具体策を示す「地域脱炭素ロードマップ」(令和3(2021)年6月9日国・地方脱炭素実現会議決定)が策定され,また,「地球温暖化対策計画」(同年10月22日)が閣議決定された。このロードマップでは,脱炭素先行地域で,2025年までに脱炭素に向かう地域特性等に応じた先行的な取組実施の道筋をつけ,2030年までに実行することとしている。脱炭素実行地域づくりを推進する環境技術者として,以下の問いに答えよ。

(1)脱炭素先行地域の概要を説明し,さらに技術者としての立場で想定する具体的な事業を明記したうえで,脱炭素先行地域として考慮すべき3つの課題を抽出して,その課題の内容を示せ。なお,抽出する課題が局所的にならないように注意すること。

(2)抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その理由を説明したうえで,その課題に対する複数の解決策について専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行ししても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。

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