2023年7月17日月曜日

建設部門 必須科目Ⅰ 巨大地震対策とインフラメンテンナンス第2フェーズ

筆記試験、たいへんお疲れさまでした(^^)/
皆さん、どうでしたか?
昨年に引き続きわたしも試験本部員として参加しました。沖縄会場は久しぶりの沖縄大学でした。コロナの3年間はリゾートホテルで実施していましたからね、パラソルが並んだプールがすぐ横にあったり、試験室の照明がシャンデリアだったりとなんだか落ち着かなかったのですが、大学構内での実施が叶い、ようやく平常に戻った感がします。
それではこれから複数回にわたって問題文をアップいたします。
まずは建設部門の必須科目から。

それにしてもアレですね、今回の建設部門は2問とも王道中の王道ジャンルでした。
どっちも準備していたひとがほとんどだったのではないでしょうか。しかし今年が関東大震災から100年とは全く認識しておりませんでした。わたしは実は高校まで関東で育ったので、関東大震災は幼少期から骨身に染みるほど叩き込まれていました。小学校時代は各自の席に自前の防空頭巾をクッション替わりに使用していましたしね。そうですか、100年になるんですか。。。
もうひとつは維持管理でした。ただし維持管理とはいえ、ちょっと変化球というか最新の取組方策である「第2フェーズ」について問われているため、事前準備していなかったひとは念のため避けたかもしれませんね。課題や問題点ネタが問題文前文で既に展開されていますからね。それを受けてどんな課題があるのか、が問われました。
それにしても環境部門などはちょっと予想外のジャンルが出題されたこともあって新鮮な驚きがありましたが、建設部門のこの揺るがない王道感は面白味がない反面、技術力、意識、姿勢が問われているような気がします。

そして当然のことながら(?)、各設問の出題様式はほぼこれまで通りの例年通りでした。

9 建設部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅰ-1 今年は1923(大正12)年の関東大震災から100年が経ち,我が国では,その間にも兵庫県南部地震,東北地方太平洋沖地震,熊本地震など巨大地震を多く経験している。これらの災害時には地震による揺れや津波等により,人的被害のみでなく,建築物や社会資本にも大きな被害が生じ復興に多くの時間と費用を要している。そのため,将来発生が想定されている南海トラフ巨大地震,首都直下地震及び日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の被害を最小化するために,国,地方公共団体等ではそれらへの対策計画を立てている。一方で,我が国では少子高齢化が進展する中で限りある建設技術者や対策に要することができる資金の制約があるのが現状である。
 このような状況において,これらの巨大地震に対して地震災害に屈しない強靭な社会の構築を実現するための方策について,以下の問いに答えよ。

(1)将来発生しうる巨大地震を想定して建築物,社会資本の整備事業及び都市の防災対策を進めるに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

おつかれさまでした!
【沖縄県那覇市首里】

Ⅰ-2 我が国の社会資本の多くが高度経済成長期以降に整備され,今後建設から50年以上経過する施設の割合は加速度的に増加する。このような状況を踏まえ,2013(平成25)年に「社会資本の維持管理・更新に関する当面講ずべき措置」が国土交通省から示され,同年が「社会資本メンテナンス元年」と位置づけられた。これ以降これまでの10年間に安心・安全のための社会資本の適正な監理に関する様々な取組が行われ,施設の現況把握や予防保全の重要性が明らかになるなどの成果が得られている。しかし,現状は直ちに措置が必要な施設や事後保全段階の施設が多数存在するものの,人員や予算の不足をはじめとした様々な背景から修繕に着手できていないものがあるなど,予防保全の観点も踏まえた社会資本の管理は未だ道半ばの状態にある。

(1)これからの社会資本を支える施設のメンテナンスを,上記のようなこれまで10年の取組を踏まえて「第2フェーズ」として位置づけ取組・推進するに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。


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