2023年7月19日水曜日

建設環境 選択科目Ⅲ コンパクト+ネットワーク等による脱炭素型まちづくりと環境に配慮した治水事業

「問題解決能力及び課題遂行能力に関する」問題Ⅲ、Ⅲ-1が脱炭素型まちづくり、Ⅲ-2環境に配慮した治水事業でした。パターンとしては「脱炭素」と「生物多様性」ということでは昨年度と同じでしたね。どちらも想定内どころか過去問でも類似したものが出題されていますから骨子ネタなど流用できたんじゃないでしょうか。そういうことでは今回もどちらの問題を選択するか迷ったかもしれませんね。迷ってしまうと見切り発車で書き始めることにもなって、最後の最後で選択問題番号を書き忘れてしまう事案が発生しやすいです。くれぐれも注意してください(ってもう試験は終わってしまいましたが)。
それにしても課題を「3つ以上」というのは4つ5つとたくさん書いたほうが評価されるのか、3つに留めてひとつひとつを深堀したほうが評価されるのか、どうなんでしょうかね。

Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び解答せよ。(赤色答案用紙に解答問題番号を明記し,答案用紙3枚を用いてまとめよ。)

Ⅲ-1 令和2年12月に設置された「国・地方脱炭素実現会議」において,地域脱炭素化に向けたロードマップに関する検討が進められ,令和3年6月に「地域脱炭素ロードマップ」が策定された。その中で,全国津々浦々で取り組むことが望ましい脱炭素の基盤となる重点対策として,「コンパクト・プラス・ネットワーク等による脱炭素型まちづくり」が掲げられており,市街地が拡散した都市構造を見直し,集約型の都市構造へ転換を図ることの重要性が示されている。都市構造は交通システムや土地利用に影響を及ぼし,中長期的に二酸化炭素排出量にも影響を与えることから,集約型の都市構造は脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を持つことを踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)市街地が拡散した都市構造から集約型の都市構造へ転換を図るための取組を進めながら,同時に脱炭素型まちづくりの実現に向けた取組も進めるに当たり,市街地が拡散した都市構造が抱える二酸化炭素排出量の増加につながっている課題を,技術者としての立場で多面的な観点から3つ以上抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,都市構造の集約化を含めて複数示し,専門技術用語を交えて具体的に説明せよ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。



大阪市街と大川(旧淀川)~土木学会田中賞受賞の川崎橋上空
【大阪府大阪市】

Ⅲ-2 気候変動の影響で大規模な水災害が頻発しており,全国各地で緊急的な河川の流下能力向上を目的とした治水事業が行われている。一方,河川は洪水を安全に流下させるための空間としてだけでなく,河川全体の自然の営みを視野に入れ,地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し,河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出することが求められており,河道掘削等の整備内容に応じた河川環境の保全や影響緩和を検討することが必要である。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。

(1)整備内容に応じた河川環境の保全や影響緩和の検討に当たって,技術者としての立場で多面的な観点から課題を3つ以上抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えてを示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。


流域治水については必須科目Ⅰ対策で抑えていたと思いますが、これに環境配慮と繋げて考えていたひとは専門技術用語を交えてスラスラ書けたことでしょう。

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