2023年7月20日木曜日

自然環境保全 選択科目Ⅱ-2 自然共生サイト認定申請と家畜感染症対策計画に係る野生鳥獣生息状況調査

つづいて「選択科目」に関する応用能力について試される選択科目Ⅱ-2です。
ひとつは30by30に絡んだ自然共生サイトの認定申請、30by30でOECM認定に向けた動きが熱いですもんね、当然予想しておくべき分野でした。もういっこは家畜感染症対策計画に係る野生鳥獣生息状況調査、ここ数年続いている獣害モノでした。鳥インフルエンザの影響で卵の市場価格が高騰するなど社会的にも大問題となってますもんね。家畜感染症関連、これまた盲点でした。。。
とはいえ、どちらも自然環境調査であることには変わりありませんし、その業務目的がそれぞれ違うということで、その目的に沿った調査や検討すべき事項を外さないように記載できればOKではないでしょうか。試験官としても発注者や社会の意向や潜在的なニーズなどをその目的を踏まえて専門技術者として提案できるそして計画できる技術者を自然環境保全の技術士としたい、ということですよね。

Ⅱ-2 次の2設問(Ⅱ-2-1,Ⅱ-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(青色答案用紙に解答設問番号を明記し,答案用紙2枚を用いてまとめよ。)

Ⅱ-2-1 我が国では,30by30目標達成に向けて,2022年4月に「30by30ロードマップ」を公表し,国立公園等の保護地域の拡張に加え,保護地域以外で生物多様性保全に資する区域(OECM:Other Effectibe areaーbased Conservation Measures)の設定及び管理を中心施策として取り組むこととしている。そのような中,OECMの設定を進めるため,「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」に認定する制度を開始し,「自然共生サイト」認定区域のうち,保護地域との重複を除いた区域については,OECMとして国際データベースに登録することとしている。そこで,ある事業者が自然共生サイトの認定を申請することとなった。この業務を担当責任者として進めるに当たり,以下の内容について記述せよ。
(1)対象区域の自然的社会的条件を設定し,本業務における調査,検討すべき事項について説明せよ。
(2)業務を進める手順を列挙し,それぞれの留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

どんなところが自然共生サイトに認定(まだ試行段階ですが)されているのかと調べてみると、意外と身近なちょっとした自然環境(屋上緑化も!)認定の試行サイトとして紹介されていました。これは気軽に申請できそうな感じですよね。これから一気に全国的な動きになるかもしれません。


大手町タワー(東京建物株式会社)
自然共生サイト認定の試行(後期)協力サイト
【東京都千代田区】

Ⅱ-2-2 2022年から2023年にかけて,野鳥における高病原性鳥インフルエンザの感染が例年以上の頻度で確認され,また,豚熱に関しては,2018年9月以降,各地で野生イノシシの感染が拡大している。このように近年,野生鳥獣由来の感染症の影響は野生鳥獣のみならず畜産業界へも甚大な被害をもたらしている。そこで,ある市町村が畜産農家の家畜感染症対策計画を策定するため,周辺地域に生息する野生鳥獣の生息状況等を調査することとなった。この業務を担当責任者として進めるに当たり,以下の内容について記述せよ。なお,本業務は対象地域において感染症が確認される以前に行われる調査を想定する。
(1)本業務における調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順を示し,それぞれの段階において留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

問題文前文最後の「なお」書きは要注意です。「本業務は対象地域において感染症が確認される以前に行われる調査を想定」したものでなければダメですよ。問題文を慌てて読んで、感染症発生後調査だぁ!と業務の設定を誤ってしまうとマズイです。


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