2024年6月15日土曜日

水産白書~「海業(うみぎょう)による漁村の活性化」~

環境白書に続いて水産白書がリリースされました。
特集テーマは「海業(うみぎょう)による漁村の活性化」です。
これまでも必須科目でたびたび問われていますよね。昨年度も「漁村の活性化」が問われました。水産土木では選択科目でもたびたび問われています。しっかりチェックしておいてください。
加えて令和6年能登半島地震による水産業の被害状況や復旧・復興に向けた取組等が紹介されています。東日本震災関連もこれまでたびたび問われました。今年は能登半島地震の影響、復興復旧について問われるんじゃないかと思います。
●脱炭素・カーボンニュートラル
●海業による漁村の発展
●能登半島地震の復旧復興
これらはそれぞれ独自のものではなく複雑に関連しあっています。何が問われても柔軟に回答できるよう、ふだんから技術力を磨いておいてください!

近江町市場
【石川県金沢市

プレスリリース

令和5年度水産白書を本日公表

令和6年6月11日
水産庁
~~特集テーマは「海業(うみぎょう)による漁村の活性化」~~

本日、令和5年度水産白書が閣議決定されました。
今回の白書では、「海業による漁村の活性化」を特集として取り上げています。また、我が国の水産業をめぐる動きとして、水産物の需給・消費や水産業・水産資源等に関する動向に加え、令和6年能登半島地震による水産業の被害状況や復旧・復興に向けた取組等を紹介しています。
この白書を通して、広く国民の皆様にご関心を持っていただき、我が国の水産業について理解してもらうことを目指しています。

海業ポスター

1.令和5年度水産白書の概要

水産白書は、水産基本法に基づき、政府が毎年、国会に報告しているものです。
「令和5年度水産白書」では、海や漁村の地域資源の価値や魅力を最大限に活用することにより、地域の所得や雇用機会の確保等を目指す事業である「海業(うみぎょう)」について、昨年5月に、海業の推進等のため漁港漁場整備法が改正されたこと等も踏まえ、各地における多くの海業の先行事例や海業推進のための施策等を紹介することでこれから海業に取り組もうとしている地域の参考にもなるよう、冒頭の「特集」において「海業による漁村の活性化」を取り上げています。

「令和5年度水産白書」は、以下のURLで御覧になれます。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/index.html

(参考)
海業の推進
https://www.jfa.maff.go.jp/j/keikaku/230718.html

2.内容のポイント

令和5年度水産の動向

特集 海業による漁村の活性化
海業の取組の具体的な事例や、その推進のための施策等について記述

第1章 我が国の水産物の需給・消費をめぐる動き
水産物需給・消費・貿易の動向等について記述

第2章 我が国の水産業をめぐる動き
漁業・養殖業の国内生産・経営・就業者の動向、水産物の流通・加工の動向

第3章 水産資源及び漁場環境をめぐる動き
我が国の資源管理、実効性ある資源管理のための取組、漁場環境をめぐる動き等について記述

第4章 水産業をめぐる国際情勢
世界の漁業・養殖業生産、世界の水産物貿易と国際情勢、国際的な資源管理等について記述

第5章 大規模災害からの復旧・復興とALPS処理水の海洋放出をめぐる動き
水産業における東日本大震災からの復旧・復興の状況、ALPS処理水の海洋放出による影響と対策、令和6年能登半島地震の被害状況と政府等の対応等

令和6年度水産施策

水産基本計画、令和6年度予算等に基づく施策の概要を整理

添付資料

報道発表資料(PDF : 706KB)


2024年6月14日金曜日

令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

去った土曜日は遅まきながらSUKIYAKI塾沖縄でいごの会主催の筆記試験対策セミナーでした。ひと月前なのでより実践に即した指導を心がけたつもりですがどうだったでしょうか。ホントは半年、1年かけてじっくり練り上げていただけると盤石ではあるのですが。
いずれにしろセミナーを受講して刺激を受けていただけたら、そしてそれを踏まえて取り組んでいただけたら、合格にすごく近づくと思います。頑張ってください!

そして環境白書がリリースされました。先日に出た第6次環境基本計画そのままといった感じです。課題自体はここ数年と同様で新しい感じは受けないかもしれませんが、環境部門のかたはひととおりチェック、建設環境や総監のかたは概要やキーワード、そして考え方などはチェックしておくとよいと思います。

「新たな成長」による「ウェルビーイング/高い生活の質」を「自然資本充実」と「環境価値(の向上)」により目指すもので、これらを実現するためにどうすべきか?が問われると思います。特に環境部門の場合は。


2024年06月07日
  • 総合政策

令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の公表について

令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は本日令和6年6月7日(金)に閣議決定されたため公表いたします。

1. 令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のテーマ

自然資本充実と環境価値を通じた「新たな成長」による「ウェルビーイング/高い生活の質」の充実
~第六次環境基本計画を踏まえ~

 令和6年5月、第六次環境基本計画を閣議決定しました。本計画は、環境保全を通じた「現在及び将来の国民一人一人のウェルビーイング/高い生活の質の向上」を最上位の目的として掲げ、政府全体の環境保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱を定めたものです。現在、世界が直面している気候変動、生物多様性の損失、汚染という3つの危機に対し、早急に文明・経済社会システムの変革を図り、環境収容力を守り環境の質を上げることによって、経済社会が成長・発展できる循環共生型社会を実現していくことが重要です。
 本白書では、第六次環境基本計画の内容を中心に、昨今の環境の状況、施策等について概説しています。


2. 令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のポイント

  •  第1章では、第六次環境基本計画について、現在我々が直面する環境の危機、我が国の経済社会の構造的問題を踏まえ、環境・経済・社会の統合的向上など環境政策が全体として目指すべき大きなビジョンを示すとともに、今後の施策の方向性を示していることを紹介しています。
  •  第2章では、気候変動、生物多様性の損失及び汚染という相互に関係する3つの世界的危機に対し、最新の動向や施策を紹介するとともに、課題の相互依存性を認識して自然再興・炭素中立・循環経済等政策の統合、シナジーを図ることが重要であることを紹介しています。
  •  第3章では、自然再興・炭素中立・循環経済の同時達成のためには、環境をきっかけとして、地域やそこに住んでいる人々の暮らしを、豊かさやウェルビーイングへとつなげていくことが重要であり、そのための取組である「地域循環共生圏」やライフスタイルシフト等について紹介しています。
  •  第4章では、東日本大震災や原発事故の被災地の環境再生の取組の進捗や、復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を紹介しています。


3. 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の特色

  •  環境白書、循環型社会白書及び生物多様性白書の3つの白書は、法律にのっとってそれぞれ国会へ提出する年次報告書ですが、環境問題の全体像を分かりやすく示すために3つの白書を合わせて編集し、1つの白書としてまとめています。
  •  印刷工程の電力使用に伴い発生する二酸化炭素(CO₂)は、環境省の「オフセット・クレジット制度(J-VER制度)」に基づき発行された東日本大震災における被災地のクレジットを購入し、オフセットしています。


4. 白書の閲覧及び冊子の入手方法

(1)環境省ウェブサイト http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/

 PDFデータで掲載します。なお、HTML形式のデータについては、令和6年7月上旬以降、同ウェブサイトに掲載する予定です。

(2)冊子の入手方法

 ① 単行本
  
政府刊行物センターや政府刊行物取扱書店等で購入することができます(1部2,728円(税込、予定価格)、令和6年6月中下旬発売予定)。
  入手方法等については、発行元の日経印刷株式会社第一営業部(03-6758-1011)までお問合わせください。

 ② 電子書籍
  電子書籍版Kindle及び楽天Koboにて、1年間無料配信予定(令和6年7月中下旬配信予定)。


5. 今後について

 環境省では、白書に関する様々なことにお応えするために、以下のように取り組んでいきます。
(1)「白書を読む会」を開催します。詳しい内容については別途報道発表にてお知らせします。
(2)英語版は、環境省ウェブサイト(URL)に本年秋頃をめどに掲載を予定しています。

2024年6月13日木曜日

R6総監部門(記述式)

6月から2週に渡って連日投稿していた出題ジャンルまとめと予想ですが、最後に総監部門を取り上げます。なんとか筆記試験ひと月前に間に合いました。

って、これまた毎年のように書いていますが(コピペしていますが)、総監については予想するのは意味はないようなところもあり、何が出題されたとしても総監として答えるのみです。なんて言っちゃうと身も蓋もないのですが、これは真実です。
例年そうでしたが、ここ数年この傾向がより強くなっています。

総監技術士の相応しさとは、総合技術監理を理解していること、そして実施できることであり、それを読み手である試験官に伝えることができて初めて合格することができます。
「総合技術監理」については、ご存知の通り5つの管理のそれぞれの内容を理解することももちろん重要なのですが、記述式問題で書くべき内容は、なんといっても総監キーワード集2024の1ページから4ページの「1.総合技術監理」に記載されていることです。これが出題されます。そこに書かれた内容をご自分の立場や役割を設定したうえで出題されたテーマや各設問で要求されていることに沿ったかたちで表現できるかどうかが合否の分かれ目になるわけです。
「トレードオフ×優先順位=全体最適化」
一般部門はテーマの勉強(ネタを仕入れて骨子作成)が重要でしたが、総監部門の場合はテーマの勉強というよりも、総監そのものの勉強(というか訓練)が重要です。
つまり、出題テーマなんてなんだっていいわけで、テーマなんかよりは問題文に合わせて総監力をしっかり書ききることができるかどうかです。それには事前にテーマが予想できるかどうかはあんまり関係ないと思います。

これまでは試験テーマはほぼそのときどきの社会問題、社会的な課題にちなんだテーマで出題されていました。ところがこうして並べてみると令和3年以降は特にそういうわけではなく、組織運営、経営戦略的なことが問われているような気がします。
そういうことでは益々「●●が出ますよ!」とは言えないというか言っても意味がないことだと感じるようになりました。

とにかく何が出題されたとしても、5つの管理を意識しながら俯瞰的視野で見渡したうえでトレードオフを調整し、全体を最適化させる管理方策を展開させてください。

俯瞰しないと見えない景色があります
【沖縄県石垣市 石垣島】

といいつつ、これまでどのようなテーマで出題されたのか振り返りましょう。
SWOT分析
SWOT分析についてなにも知らなくても大丈夫です。問題文にちゃんとSWOT分析についての説明が詳しく記載されています。SWOT分析を問う試験ではなく総監の相応しさを問う試験ですので。

DX推進計画
【ビッグデータ解析とかAIとかDXなど】

データの利活用
【ビッグデータ解析とかAIとかDXなど】

自然災害への事前の備え(BCP)
【R1に台風や豪雨災害が頻発】

ヒューマンエラー
【H29年12月のぞみ34号重大インシデントなど】

H30
働き方改革
【H30年6月に働き方改革関連法が成立】

H29
事業における継続可能性
【H28年12月に「SDGs実施指針」が決定、8つの優先課題と具体的施策が示された】

H28
新技術導入による変更管理
【H28年4月にi-Construction委員会から同報告書がリリース】

H27
国際イベント関連プロジェクト
【H27年6月に東京オリパラ大会特別措置法が成立】

H26
人口減少社会を見据えたインフラ更新
【H26年5月にいわゆる「増田レポート」が発表】

H25
ライフサイクルを鑑みたメンテナンス
【H24年12月に笹子トンネル事故が発生】

添削を受けるにせよ、受けないにせよ、まずはイキナリ回答論文を書き始めるのではなく、過去の合格答案事例集を入手してそれを研究、分析することをオススメします。
たくさんの合格論文をみるとわかると思いますが、それら受験生は専門分野(技術部門)が異なるうえに、年度によってテーマも違うわけですけれども、総監としての課題や解決策そのものにはバリエーションがないことがわかると思います。人間、やれることは決まっていますからね。
というわけで、過去問についてしっかり取り組んでおけばOKだと思います。
もちろん事前に準備することなしに、試験本番でゼロベースで課題を抽出、解決策を提示するなんてことは、あの長いようで実はとても短い試験時間にはとてもではありませんができません。しかし事前にしっかり準備しておけば、試験本番では準備していた手持ちのピースのうちどれをどのように当てはめればよいのかを問題文に照らし合わせながら決めるだけです。

わたしの講座です。課題や解決策の妥当性、論理的整合性の確認を含めて、論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月12日水曜日

R6水産部門の要チェック分野まとめ(Ⅰ)

それではたいへん遅くなりましたが水産部門を取り上げます。
水産部門は必須科目Ⅰしか取り上げませんけれども、ともかく必須科目Ⅰ、令和元年から復活した記述式(解答用紙3枚)です。
「技術部門」全般にわたる専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力に関するもので,
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
というやつです。

水産部門はもうアレですよ、「新たな水産基本計画」から出題されます!
ちなみに昨日、R5年度水産白書も発表されました(^^)/

【令和4年版 新たな水産基本計画】
持続性のある水産業の成長産業化と漁村の活性化の実現に向け3本の柱
(1)海洋環境の変化も踏まえた水産資源管理の着実な実施
(2)増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現
(3)地域を支える漁村の活性化の推進

水産物の持続的な発展に向けて横断的に推進すべき施策
●スマート水産技術の活用
●カーボンニュートラルへの対応
●新型コロナウイルス感染症対策
●東日本大震災からの復興
●水産物の自給率目標

R3はスマート水産業と東日本大震災からの復興が出題されました。
R4は(1)の柱と(3)の柱でした。
そう考えると、今年度は(2)増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現ですね。リスクはどんなものがあるのか整理洗い出ししておいてください(もちろんそれに対応する方策も)。
R5年3月には「災害に強い水産地域づくりガイドライン、マニュアル、事例集」というのも出ましたからね。すごく匂います!
能登半島地震を受けて、輪島周辺の被災状況を整理し、水産分野技術者として災害対策をどうすべきか、復興復旧に向けてどうすべきかを考えてみてください。

もう1こは最近問われていない脱炭素・カーボンニュートラルですかね。

とにかく水産分野の基本中の基本の計画ですからしっかり抑えてください。そのうえで余力があれR5年度の水産白書をチェックされるとよいでしょう。
では具体的にどういったことが出題されていたのか、見てゆきましょう。

①地域を支える漁村の活性化
②水産資源の持続的利用

①マーケットイン
②震災被害の回避低減

R3
①東日本大震災からの復旧復興
②スマート水産業

R2
①新技術の活用(新たな水産基本計画から)
②地球温暖化対策

R1
①水産物の安定供給と漁村の維持発展(新たな水産基本計画から)
②SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」

H24
●水産資源の持続的利用

H23
●漁業・漁村の6次産業化

H22
●我が国の水産業の現状と課題

H21
●我が国や世界の漁業及び養殖業の現状と課題

H20
●水産物の安定供給と水産業の健全な発展

H19
●水産分野の現状と課題

平成24年度以前は水産業の現状と課題、そしてその対策で統一されていますね。
同じですね。令和元年度以降もこのテーマがずうっと根底にあります。つまり何が出題されようともコレしか出ません。
ということは試験対策も同じです。
水産分野の課題っていろいろあるようで、実は結構決まっていますよね。やはり新技術(ICT)は必須ネタです。漁業者も高齢化しているし、海外に対抗するには効率化、集約化、自動化、付加価値化するしかないですもんね。それら定番の課題を骨子などでまとめておけば、試験本番では出題テーマが何であろうともそのあらかじめ準備しておいた骨子をアレンジすることで対応できるはずです。

なお、ここで注意してほしいのですが、必須科目Ⅰは水産部門共通の問題です。問題文にもわざわざ書いてある通り「技術者としての立場で,水産部門全体にわたり広く多面的な観点から課題を抽出し」とか「技術者としての立場で,水産部門全般にわたる多面的な観点から抽出し」とあります。
課題の抽出にあたってはご自分の専門とする科目だけじゃなくてほかの科目における課題についても意識してくださいね。そうすることで高い評価が得られますし、他の受験生との差がつくはずです。
ここでおさらいですが、水産部門の専門科目は、「水産資源及び水域環境」、「水産食品及び流通」、「水産土木」の3つからなります。わたしは必須科目や選択科目Ⅲの回答の際には(問題文に数の指定がない限り)課題を3つ程度挙げることを推奨していますが、ちょうどこの3科目から課題をひとつづつ抽出すると多面的な観点がバランスよくアピールができると思います。3科目からが無理だったとしても少なくとも2科目から3つ程度抽出するようにしてください。
そのためには、いまの時期にご自分の受験する科目に関する勉強は当然のことながら、ほかの科目も意識した課題の抽出を時間をかけて整理しておくことで、試験本番では広い視野を備えた課題の抽出が瞬時にできることでしょう。その際、新たな「漁港漁場整備長期計画」も参考にしてみてください。これは各科目ごとの選択科目対策にもなります。
とにかく準備することなしに、試験本番でゼロベースで課題を抽出、解決策を提示する、なんてあの短い試験時間にできっこないです。

【沖縄県うるま市 宮城島】

わたしの講座です。課題や解決策の妥当性、論理的整合性の確認を含めて、論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月11日火曜日

R6環境部門(自然環境保全)の要チェック分野まとめ(Ⅱ-1)

では出題予想、環境部門自然環境保全のⅡ-1です。
それにしても自然環境保全のⅡ‐1の予想は難しいですよね。
R4の30by30はズバリ的中しましたが、わたくしイチオシのアメリカザリガニ(などの外来種)は取り上げられませんでした。
それでもシツコクR6こそアメリカザリガニやアカミミガメ(などの外来種)が出るんじゃないかと思います。ただし、Ⅱ-1で出るのか、Ⅱ-2で出るのか、はたまたⅢで出題されるのか、それはわかりませんが。
そのほか生物多様性国家戦略2023-2030生物多様性民間参画ガイドライン(第3版)とか気になりますよね。どちらもネイチャーポジティブについて取り上げています。ということでネイチャーポジティブについての出題があるんじゃないかと思いますが、どうですか?

①ワシントン条約
②国立公園、国定公園など
③ビジターセンターなどの管理運営計画
④グリーンインフラ

①自然公園と重複するジオパーク
②遺存固有(古固有)と新固有
③自然公園内での景観配慮
④30by30

①火山地形の国立国定公園
②世界自然遺産のOUV
③特定第二種国内希少野生動植物種
④持続可能な生物資源の管理に関する認証制度

R2
①ラムサール条約湿地とその保全措置
②環境DNA分析技術の特徴と効果、課題と展望
③野生生物の保護管理制度
④渓畔林・河畔林の特徴と機能

R1
①藻場の機能と減少要因
②愛知目標、我が国の取り組み
③森林認証制度
④自然環境保全地域と自然公園それぞれの制度

H30
①生物多様性を社会に浸透させる取り組み
②世界自然遺産地域の保護管理
③生物多様性の第2の危機
④ユネスコ世界ジオパーク

H29
①緑の国勢調査やモニタリングサイト1000
②国内希少野生動植物種と保護増殖事業
③ユネスコエコパーク
④生物多様性オフセット

H28
①鳥獣の管理(鳥獣保護管理法)
②生態系を用いた防災・減災(Eco-DRR)
③ミティゲーション
④里地里山における木質バイオマスエネルギー

H27
①自然環境保全地域
②鳥獣保護法改正と狩猟者の確保と育成
③自然公園等における利用者負担
④希少野生動植物の現況と保全

H26
①グリーン復興の取り組みと生物多様性保全への配慮
②里山の生物多様性
③自然の恵みの経済的価値評価
④自然との触れ合いのための歩道

H25
①コナラ林の適切管理
②自然解説標識
③在来生物の生息・生育域の変化
④自然再生事業におけるモニタリング及び順応的管理

でした。
当たり前ですがぜんぶ「生物多様性」ですね。さまざまな側面での生物多様性について問われています。

特に生物多様性や自然公園管理に係る法律や制度の変更時期はその話題が取り上げられることが多いです。なんといっても「生物多様性国家戦略2023-2030」が出ましたからね。ネイチャーポジティブだとか5つの基本戦略については簡単に整理しておいてください。これはⅡ‐1に限らないわけですが要チェックです。

そしてシツコイですが、R5年4月に防除マニュアルも出たことから今年こそアメリカザリガニやアカミミガメ(外来種対策)あたりはいかがでしょうか。
外来生物法がR4年5月に改正され、それを受けて9月には特定外来生物被害防止基本方針が変更されました。機は熟していると思います!←去年と同じこと書いてます(笑)

とはいえ、出題されるネタ(テーマ)をズバリ予想するのはやっぱり困難です。
でも、何が出ようとも4つのうちから1つを答えればいいわけですから、それくらいはなんとか答えてほしいものです。それができないようでは自然環境保全の技術士に相応しいとは言えません。
なぁーんて脅すようなことを書いちゃいましたが、なにも満点じゃなくてもいいんです。6割でいいんですから、訊かれたことに対してなんかかんか回答しさえすれば合格レベルの6割には達すると思います、達するはずです。
たとえばクライアントとの打ち合わせ協議でなんかしら質問されたというシチュエーションを考えてみてください。詳しくは知らないようなことについて訊かれても専門家を自負している以上、記憶をたどりながらでもわかる範囲でなんとか答えますよね?まったく何も答えられなかった、ということはないんじゃないですか?アレと一緒です。

上記分野は傾向もヘッタクレもありません。こう言ってはミもフタもありませんが、試験に出る出ないも関係ありません。基礎の基礎、専門のなかの専門として習熟しておいてください。

【沖縄県宮古島市 来間島】

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月10日月曜日

R6環境部門(自然環境保全)の要チェック分野まとめ(Ⅱ-2)

それでは続きまして自然環境科目の選択Ⅱ‐2(2つの設問から1問を選ぶスタイルの応用能力問題)で出題されたネタを見てみましょう。
応用能力については「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について 」によると次のような説明があります。
これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正しく認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等について説明できる能力
とあります。
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
ということです。
業務遂行手順、留意点や工夫を要する点、というのがキモになります。

実際の問題文をみてみると、上記の「応用能力」の説明そのままですよね。ということは今後も同じような問われ方になるんじゃないでしょうか。
Ⅱ-2-X (前文に業務テーマが指定されます)~の担当責任者として業務を行うに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について,留意すべき点,工夫を要する点を含めて述べよ。
*あるいは(2)業務を進める手順を具体的に示し,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫すべき点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

この流れ、令和元年度から5年続けて同じでしたね。令和6年度はもしかしたらじゃっかんアレンジしてくるかもしれませんが、それでも大きくは変えられないと思います。
これまでどおりの準備で大丈夫でしょう。

【沖縄県石垣市 石垣島】

それでは具体的にどういった業務の遂行手順が問われてきたのか、これまでにどんな業務が出題されたのか振り返ってみましょう。
①自然共生サイト認定申請
②家畜感染症対策計画に係る野生鳥獣生息状況調査

30by30に絡んだ自然共生サイトの認定申請、もう1つは家畜感染症対策計画に係る野生鳥獣生息状況調査と、ここ数年続いている獣害モノでした。Ⅱ-2とⅢはどちらも似たような出題が繰り返されていますね。ただし、Ⅱ-2は計画策定の手順、Ⅲは課題遂行&問題解決です。書き間違えないように注意してください。
また、Ⅱ-2は業務は業務でも、「計画」を策定する業務なのか、「実施」する業務なのかによって書きぶりが全然変わります。注意してください。そして出題されているのは圧倒的に「計画」です。計画を策定する業務の実施手順ですから、計画を実行する業務ではないことに注意してください。

①自然資源を活用した地域振興計画
②クマ被害の低減予防計画

①国立公園の歩道新設
②道路改修業務におけるロードキル対策

R2
①生態系ネットワークを踏まえた自然再生事業
②生物多様性地域戦略の改訂業務

R1
①生息域外保全計画
②自然公園における利用者負担

H30
①国立公園満喫プロジェクト(自然公園におけるインバウンド利用推進)
②生物多様性地域戦略の改訂業務

H29
①地域の自然再生事業
②生物多様性地域戦略の改訂業務

H28
①原発事故避難民の帰還にあたり利活用を前提とした自然環境の保全育成基本計画
②地域のエコツーリズム推進

H27
①河川中流域における自然環境の保全とその利活用を目的とした整備基本計画
②自然ふれあい活動計画

H26
①奥山地域における自然環境の保全育成基本計画
②自然公園における情報提供施設の改修計画と運営計画

H25
①里地里山における自然環境の保全育成基本計画
②林地を自然ふれあいの場とする基本計画

生物多様性地域戦略モノが最近問われていませんが、出ましたからね(生物多様性地域戦略策定の手引き(令和5年度改定版))。今年は出るんじゃないでしょうか!
もうひとつは獣害モノだとするとつい先日にニホンザルのガイドライン改定版が出ましたよね(特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(ニホンザル編)の改定について)。これまでクマ、鳥インフル、Ⅲではカワウも出ています。今年はサルというのはどうでしょうか。

とにかく2問のうち1つは受験要件を満たした自然環境保全分野の技術者であれば当然これまでに実績、経験を積んでいるはずのものが出題されます。直接の経験がなくとも間接的にでも関わっているはずですし、なんなら耳学問でも体に入っているはずです。とにかくこの分野の技術士を目指すのであれば当然身につけておくべき応用能力です。

R6の試験対策としては、
①自然公園における維持管理計画
②生物多様性地域戦略の改訂業務の流れ
③自然環境の利活用計画
④自然再生事業の流れ
⑤獣害対策の流れ
などを整理しておけばOKじゃないでしょうか。

そしてシツコイですが特定外来生物被害防止基本方針が変更されたことから、
⑥外来種被害防止対策事業計画
なんてのも想定しておいて間違いないと思います。準備しておけばⅢで出題されてもⅡ-1で出題されてもなんとか書けるんじゃないでしょうか。

とにかく、
Ⅱ‐2の回答については、APECさんは「業務計画書を作る感覚で」としています。特記仕様書兼作成手順書(問題文です)に沿って業務計画書(回答論文です)を作成するように書き上げればいいと思います。

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月9日日曜日

R6環境部門(自然環境保全)の要チェック分野まとめ(Ⅲ)

続いて環境部門自然環境保全の選択科目Ⅲです。
選択科目Ⅲは「社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象」に出題されます。
では具体的にどういったことが出題されていたのか見ていきましょう。
①池のかいぼり
②除染済土壌等の再生利用

池のかいぼりはテレビ番組を想起して微笑ましかったのですが、もうひとつは必須科目Ⅰに続いて福一原発事故による放射能汚染の除染処理後の土壌等再生利用についてのものでした。原発の放射能汚染処理後についてこうまで続けて問われるとは思わなかったのでしばし茫然となりました。

①ツル越冬地の分散
②生物多様性民間参画

①カワウ被害防止特定計画
②国際的な地域登録制度を活用した地域振興計画

R2
①事業者による生物多様性保全
②高山植物の衰退

R1
①地域のエコツーリズム推進
②生物多様性地域戦略

H30
①再生可能エネルギー導入
②侵略的外来種対策

H29
①世界自然遺産登録地
②自然公園におけるユニバーサルデザイン

H28
①生物多様性地域戦略
②自然公園の利用促進と保護

H27
①里地里山における生物多様性
②外来生物対策

H26
①多様な主体による協働
②絶滅危惧種の保全策

H25
①生物多様性国家戦略
②再生可能エネルギー

とにかく自然環境保全なので、
1に生物多様性
2に自然公園
これに尽きます。
生物多様性についてはさまざまなシチュエーションが年度によって変化しているだけです。
そしてR5年3月には生物多様性国家戦略2023-2030が出ましたからね。もうここから出題されるのは今度こそ必定でしょう。

なお時折問われる再生可能エネルギーについては、もちろん自然環境保全の技術士として回答するわけですから、当然「生物多様性」や「景観」の保全という観点からの課題と解決策を展開してくださいね。環境部門共通の必須科目Ⅰとは違う意識で書かないと痛い目に合うかもしれません(合わないかもしれませんが)。

わたしの予想(というか希望)は、今度こそ外来種被害防止対策ですかね。外来生物法が改正されましたし、アカミミガメやアメリカザリガニの話題が頻繁にありました。

【沖縄県竹富町 黒島】

とにかく基本的なことですから(そして選択科目Ⅱ-1、Ⅱ-2対策にもなりますので)、生物多様性国家戦略、生物多様性地域戦略(これも改定が出ていますよね)、外来種対策、自然公園(国立公園)・世界自然遺産登録地・ラムサール条約湿地等の維持管理、についてはしっかり整理、理解したうえで試験に臨んでください

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月8日土曜日

R6環境部門の要チェック分野まとめ(Ⅰ)

前回まではこのブログのメイン科目である建設部門の建設環境向けでしたが、今回から環境部門自然環境保全の出題ジャンル予想をまとめた要チェック分野まとめ、まずは環境部門共通の必須科目Ⅰ、記述式(解答用紙3枚)です。
必須科目Ⅰでは下記について問われます。
「技術部門」全般にわたる専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力に関するもので,現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。

環境部門はハッキリ言って「第5次環境基本計画」から出題されます。これに尽きます。。。と書きましたがつい先日「第6次環境基本計画」が閣議決定されましたね。ぜひ6次のほうをチェックしてください。案の段階で昨年度よりいろいろ情報は出ていたわけですから。
令和2年度試験でそのものズバリ出題されましたが、今後も手を変え品を変え出題されるはずです。
第6次環境基本計画の特徴としては、
・本計画は、第一次環境基本計画が策定されてからちょうど30年という節目に策定される環境基本計画であり、「現在及び将来の国民一人一人のウェルビーイング/高い生活の質」の実現を環境政策の最上位の目標として掲げた、という点が大きな特徴です。
・現在、私たちが直面している気候変動、生物多様性の損失、汚染という地球の3つの危機に対し、早急に経済社会システムの変革を図り、環境収容力を守り環境の質を上げることによって、経済社会が成長・発展できる「循環共生型社会」の実現を打ち出しています。
その肉付けにあたって環境白書だとか環境省から報道発表される環境分野の施策に関する資料などを参考にしてください。

では具体的にこれまでどういったことが出題されていたのか見てゆきましょう。
①持続可能で強靭な社会経済を実現するためのアプローチ
②放射性物質汚染冷却水等の処理水の海洋放出

昨年のわたしの予想では「持続可能な社会を実現するための課題とその解決策」と「脱炭素」でした。自分で言うのもアレですが当たりましたね(って毎年出題されているようなものですが)。
そしてもう1つの出題はALPS処理水の海洋放出でした。これにはホントに驚きました。

①地方自治体の海外支援
②気候変動適応策

①環境保全と両立した再生可能エネルギー
②地球規模での環境危機

R2
①重点戦略(第5次環境基本計画から)
②地域循環共生圏

R1
①持続可能な社会への転換に必要となるイノベーション
②環境分野とかかわりが深いSDGs5つのゴール

H24 今後の環境政策のあり方(第4次環境基本計画から)
H23 グリーンイノベーション、3つの社会(低炭素社会・循環型社会・自然共生社会)
H22 環境先進国HERB(第3次環境基本計画から)
H21 持続可能な社会(第3次環境基本計画から)
H20 持続可能な社会(第3次環境基本計画から)
H19 持続可能な社会(第3次環境基本計画から)

最新の環境基本計画からしか出ていないといっても過言ではないですよね。しかも平成19~21年度は全く同じような内容で出題されています。
つまり、令和6年度試験も「持続可能な社会を実現するための課題とその解決策」を「第6環境基本計画」を踏まえた内容で展開できればOKです。ただ、ここ数年の環境分野の動きも踏まえる必要がありますよね。SDGsを筆頭に、海洋プラスチック汚染なんかも要注目です。
とはいえやっぱりなんといっても「脱炭素」ですよね。G7が広島で開催されましたし、R6こそ「脱炭素」じゃないでしょうか。脱炭素ポータルはもちろん、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」が展開中です。
課題や解決策の方向性はぜひここから拾ってみてください。

【沖縄県島尻郡 慶良間諸島】

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月7日金曜日

令和6年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅰ)

出題ジャンル予想をまとめた要チェック分野まとめ、最後に必須科目Ⅰ、令和元年度から復活した記述式(解答用紙3枚)です。
「技術部門」全般にわたる専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力に関するもので,現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
とのことです。
部門共通というところがミソですね。
建設環境は建設部門ですので、いまいちど建設部門なのだと認識してください。暗示にかけてもいいです。
とにかく環境系のひとは「建設部門だ」という意識がたいへん低いです。

では具体的にどういったことが出題されていたのか、見てゆきましょう。
①巨大地震対策
②インフラメンテンナンス第2フェーズ

①DX
②カーボンニュートラル

①廃棄物
②風水害

①担い手確保
②戦略的なメンテナンス

①生産性向上
②国土強靭化

こうしてみると「●●における社会資本整備のあり方」を問う問題ばかりですね。
●●には、①防災減災、②インフラメンテナンス、③地域社会の実現、④経済の好循環、⑤DX、⑥脱炭素・インフラ空間の利活用、といったあたりになろうかと思います。
これすべて「第5次社会資本整備重点計画」から取っています。

令和5年度は巨大地震対策とインフラメンテナンス第2フェーズでした。どちらも建設部門の大テーマなので例年通りの想定内でしたよね。それ以前も「国土のグランドデザイン2050」で取り上げられている王道テーマでした。令和6年度もこの傾向が続くと思います。特に令和5年7月には新たな「国土形成計画(全国計画)」及び 「国土利用計画(全国計画)」が閣議決定されています。ぜひチェックしてキーワードなど拾っておいてください!
とにかくへんに捻らず王道テーマで多面的な課題を抽出してそれを解決する骨子を作成しておけばOKだと思います。

まずは令和5年版国土交通白書2022はあらためて目を通しておいてください。キーワードや課題を拾うくらいだったら概要版でも結構です。
その令和5年の白書といえば「デジタル化で変わる暮らしと社会」がサブテーマでした。

と書いてはみましたが、昨年に引き続きわたしのイチオシは、人口減少のニュースが多かったことから、人口減少・少子高齢化社会を見据えた社会資本整備(まちづくり・維持管理更新・生産性向上)、次いで白書で取り上げられていた、デジタル化・DXです。つい先日にはi-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)~も出ましたしね。
年明け1月1日に能登半島地震が発生し、半年経った6月現在でも復旧復興は程遠い状況です。建設分野に限ったことではなく日本社会全体の課題でもありますので、能登半島地震に関連した出題になると思いますが、巨大地震対策そのものはR5に出ています。そういうことからR6は巨大地震を受けての復旧復興がテーマになるのではないかと思っています。上記に挙げたまちづくりやDXはこれに絡めて出題されるか、あるいは絡めて解答できるのではないでしょうか。

【沖縄県那覇市 沖縄島】

いずれにしろ、選択科目Ⅲと同様、なにがテーマとなっても建設部門の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
あらかじめ上記のテーマごとに骨子を整理しておけば試験当日は出題テーマに合わせてアレンジする程度で対応できると思います。

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月6日木曜日

令和6年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅲ)

それではまずは選択科目Ⅲからいきましょう。
選択科目Ⅲは「社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象」に出題されています。
では具体的にどういったことが出題されたのか見ていきましょう。
①コンパクト+ネットワーク等による脱炭素型まちづくり
②環境に配慮した治水事業

①河川を基軸とした生態系ネットワーク
②グリーンリカバリー

①生態系ネットワーク
②低炭素型・脱炭素型まちづくり

R2

①生物多様性保全再生
②都市と緑・農が共生するまちづくり

H30
①グリーンインフラを組合わせた防災・減災の取組
②持続可能な都市のための都市計画

H29
①生態系ネットワーク(エコロジカルネットワーク)
②再生可能エネルギーの利活用

H28
①気候変動適応策
②大規模津波災害からの復旧復興事業における自然環境への配慮

H27
①コンパクトシティと環境配慮
②建設副産物の3R推進策

H26
①防災減災と生物多様性
②インフラ更新と環境配慮

H25
①低炭素都市づくり
②閉鎖性水域の水質改善策

こうしてみると生物多様性と脱炭素(低炭素)がよく問われていますね。
それにしても生態系ネットワークが3年連続で出題されたのも驚きました。結局インフラ整備によってネットワークが分断されますからね。建設環境としてはこの分断をいかに解消低減するか?が腕の見せ所です。この出題傾向が続くのか?はたまた今年は小休止するのか?注目したいと思います。とはいえ生態系ネットワークに特化せずともグリーンインフラ(Eco-DRR)的な方面で出題されるんじゃないかと思います。
あとは防災減災やインフラ維持管理に絡めた出題もありますが、どっちかというと建設部門共通、つまり必須科目のほうで問われることが多いです。そしてたまに水質改善、建設副産物等々となっています。

いずれも建設部門共通の社会的課題について建設環境の技術者としてどのようにアプローチするか(課題を抽出してそれをどのように解決を図るのか)が問われています。

こうしてみても、白書で取り上げられるような建設部門共通の社会的課題に対して、自然環境保全や持続可能性(SDGs)との両立を踏まえた「建設環境の技術者として」の取り組みを書けるかどうかになるのではないでしょうか。

【沖縄県国頭郡恩納村】

建設部門の共通課題(国土のグランドデザイン2050)としては、これまでにも出題されているものも含めて
①人口減少社会(H27・H30・R1)
②少子化・高齢化社会(H27・H30・R1)
③防災減災(H26・H28・H30)
④インフラ更新(H26)
⑤災害復興(や東京オリンピック)に向けての建設ラッシュ(H27・H28)
⑥気候変動適応策と緩和策(H28・R4・R5)
⑦持続可能な都市づくり(H25・H27 ・H30・R1・R2・R3・R5)
⑧観光立国
⑨建設産業の活性化・技術継承
⑩建設事業の海外展開
⑪生産性の向上~i-Construction
があります。

SDGsの17のゴールで考えると、以下に分類されます。
●SDGsの17ゴールに向けた建設分野での取組
目標6:安全な水とトイレを世界中に(H25)
目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに(H29)
目標11:住み続けられるまちづくりを(H25・H27 ・H30・R1・R2・R3・R4・R5)
目標12:つくる責任 つかう責任(H27)
目標13:気候変動に具体的な対策を(H25・H28・R3・R4・R5)
目標14:海の豊かさを守ろう(H25・H26・H28・H30・R1・R3・R4)
目標15:陸の豊かさも守ろう(H26・H28・H29・H30・R1・R3・R4・R5)
こうしてみても目標11、13、14、15は頻出ですね。昨年度も2問ともここから出題されました。⑫SDGsの17ゴールに向けた建設分野での取組(←曖昧でスミマセン(笑)。出るに決まっていますね)。

上記の7つの目標別に骨子をまとめておけばどんな問題(テーマ)が出題されようともバッチリだと思います。

環境改善ものとしては、生物多様性についてはR1に出題されましたが、今年度はそれ以外のジャンルで出題されるかもしれません。そろそろ水質モノも出題されると思うのですが、たとえば水質のほかにも底質(水質みたいなものですが)はどうでしょう。
⑬閉鎖性水域の水質改善

たくさん挙げたわりには曖昧なままですが、なにがテーマとなっても建設環境の技術者としての対応はそんなにはバリエーションはないと思います(解答ネタ、解答パターンとして)。
要はどんなテーマであっても環境負荷低減を図ることでボトルネックを解決解消し、課題を解決、達成するということです。あるいはボトルネックを解決解消して課題問題である環境負荷低減を図るということです。この軸さえブレなければ大丈夫です。
この際、カギとなるのが「ボトルネックの抽出」になります。
ここでご自分の解決策を展開しやすいボトルネックを抽出できるかどうかで、あの短い限られた時間で回答論文を書ききることができるかどうかが決まるのではないでしょうか。
頑張ってください!
*ボトルネックとは、課題の達成を阻む問題点・障壁のことで、近年の問題文では「技術的課題」とも。

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月5日水曜日

令和6年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめの前に(Ⅰ&Ⅲ)

つづきまして、2つの設問から1問を選ぶスタイルの「問題解決能力及び課題遂行能力」が問われる必須科目Ⅰと選択科目Ⅲです。
毎年のことですが、出題予想のまえにまずは問題解決能力及び課題遂行能力の振り返りです(笑)。振り返りというか今回も完全に過去の投稿のコピペです(笑)。でも、とても大事なことなので繰り返しアップします!

問題解決能力及び課題遂行能力とはなんでしょうか。
「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について」によると、「社会的なニーズや技術の進歩に伴い,社会や技術における様々な状況から,複合的な問題や課題を把握し,社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て,問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力」とあります。
その出題内容は、
必須科目Ⅰが
・現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
選択科目Ⅲが
・社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
ということです。

論理的、ということですから、これは従来から確認されている技術士の資質である論理的考察ができるかどうか、そしてそれを試験官に伝えることができるか、がキモです。
これには骨子(表)で整理して記述するクセを身につけると、書き間違うことはありません。骨子(表)についてはこれまでにも何回か記述していますし、SUKIYAKI塾のHPにも詳しいのでそちらをご確認ください。

問題文の構成は必須科目Ⅰ、選択科目Ⅲともほぼ同じなのですが、問い方(というか文言)が微妙に変化しているのが興味深いです。こうして並べてみると、だんだん文章が長くなっていますね。
R1は(1)~課題を抽出し分析せよ
R2は(1)~課題を抽出し,その内容を観点とともに示せ。←R4の選択科目Ⅲパターン
R3以降は(1)~課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。
でした。
R3から変化なしということはR6も変化なし、と考えるのが無難でしょう。もし変えてきたとしても対応できる範囲になると思います。

そして(2)はほぼ同じでこれまで
前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
だったのが、R5では
最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えてを示せ。
「専門技術用語を交えて」というのが追加されました。でもこれ、わざわざ書かなくても、どうしても専門技術用語が混じって(交じって)しまうと思うんですけどね。逆に専門技術用語を使わずに書ききるほうが文章能力としては高いと思います(←完全に脱線です、真に受けないでください)。

次の(3)はこれまでじゃっかんバリエーションがありますが、正負両面と負(2次リスク)に対してはその対応策まで書かせるネタを想定しておけばOKです。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
でした。
添削していてよく注意するのが、リスクの捉え方です。問題文には「解決策を実行しても新たに生じうるリスク」とあります。けっこう「解決策が実行できないリスク」を書いてしまう人が多いです。
そういうことからも、よくよく問題文は良く読んで出題者の意図はしっかり汲むようにしてください。それだけで合格ラインがこちらに寄ってくるといいますか、ハードルがすごく下がると思います。

そして(4)は例年同じで
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。
といったように、技術者倫理と社会の持続可能性についてのものでした。
なお、技術士倫理綱領が改定されましたので、試験対策としてはキーワード等を更新してもよいかもしれません。

そしてR1の試験では、
答案用紙3枚以内にまとめよ。
だったのがR2以降、
答案用紙3枚を用いてまとめよ。
となっています。いくら内容がよくても2枚ではダメです。

選択科目ⅢもR1以降、ほぼ同じです。
ただし出題テーマによっては「建設環境の技術者として」という指定があることに注意してください。受験科目の技術者として答えるべきなのは当然のことですが、わざわざ指定されている場合は特に注意してほしいところです。同じ技術者であっても建設環境の技術者ではない立場でも解答が可能なテーマの場合に指定されているようです。建設環境は建設環境以外の技術士のひとが2科目めにチャレンジするパターンも多いですよね。建設環境は出題ジャンルが広いので、ついつい建設環境じゃない視点でも書けてしまいますから、そういった2科目めで受験するひとは要注意です。
Ⅲ-X (前文にテーマが示され)~することが求められている。このような状況を踏まえ,以下の問いに答えよ。
(1)~課題を,技術者としての立場で多面的な観点から3つ以上抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。
あるいは
(1)~の検討に当たって,技術者としての立場で多面的な観点から課題を3つ以上抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を,専門技術用語を交えてを示せ。

ちなみにⅢ‐2のほうでは
その課題に対する複数の解決策を,都市構造の集約化を含めて複数示し,専門技術用語を交えて具体的に説明せよ。
とありました。これはなかなか限定的でよい問いだと思いました。この条件から外れてしまうとアウトですので、問題文は良くよくよく読んでください。なんならこういったいつもと違う限定条件などは問題文に下線をひくとか丸で囲むとかして記述途中でも振り替えられるようにすると良いと思います。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について,専門技術を踏まえた考えを示せ。
でした。

選択科目Ⅲでは必須科目Ⅰの(4)技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点がないだけで、あとは同じですね。必須科目Ⅰは建設部門の技術者としての視点で、選択科目Ⅲでは建設環境の技術者としての視点で記述してください。

この流れ、平成時代の過去問に取り組む場合も令和時代用にアレンジする際に参考にしてください。もしかしたらR6年度は変えてくるかもしれませんが、それでも上記を整理して準備しておけば大丈夫でしょう。

【沖縄県竹富町 西表島】

評価にあたっては、課題を課題たらしめている根本の要因を炙り出せるか(これが課題分析)、それを文章で表現できるか、にかかっています。
実はこれができているかどうかでほぼ合否が分かれるといっても過言ではありません。わたしが行っている添削講座でもほぼこの課題の分析(問題点の抽出)についての指導になっています。逆に考えると、提案する解決策のそもそもの理由・根拠なんですが、それだけ皆さんが苦手としている部分です。ここをクリアすると一足お先に「合格」することができます。

また、多面的に課題を抽出、多様な視点からの分析も重要です。
一面的でなく多面的な視点が求められています。よく受講生から多面的(多様)な視点とはどういったものなのでしょうか、という質問を受けますが、定義はないので多面的でさえあれば試験としてはOKです。ここでは課題を幅広い視点(多様な視点)でもって抽出していることをアピールしてください。
手っ取り早く把握するには、過去の合格論文を参考にするとよいでしょう。多くの合格者がさまざまな課題を挙げているのがわかりますが、ほぼ共通したネタに収れんしているということもわかり、多面的なネタ集めとしてもとても参考になると思います。
なお、多面的とはいえ、たくさん書きすぎてもしょうがないので、数の指定がなければ3つくらいにまとめるのが無難です。

必須科目Ⅰと選択科目Ⅲにおける対象分野の傾向と予想はまた次回に。

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月4日火曜日

令和6年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ-2)

新型コロナ。すっかりちょっとした風邪なみになっているような雰囲気ですが、ここへきてわたしの身近なコロナ未罹患者が次々と感染しています。症状はそんなに重くはないようですが、試験本番直前に罹るとエライことになっちゃいますから、これから筆記試験までの体調管理、感染防止対策はしっかりやってくださいね。

前回から続いて建設環境選択科目Ⅱ-2筆記試験問題の出題ジャンル予想です。
「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について 」によると、
これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正しく認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等について説明できる能力
とあります。
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
ということです。
業務遂行手順、留意点や工夫を要する点、というのがキモになります。

実際の問題文をみてみると一目瞭然ですが、全部門、全科目ともテーマが異なるだけで問われ方は同じでした。
Ⅱ-2-X (前文に業務テーマが指定されます)~の担当責任者として業務を行うに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)~に関して調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について,留意すべき点,工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

令和元年度から5年続けて同じでしたから、令和6年度も変わらないと思います。
これまでどおりの準備で大丈夫でしょう。

【沖縄県島尻郡伊平屋村 伊平屋島】

それでは具体的にどういった業務の遂行手順が問われてきたのか、これまでにどんな業務が出題されたのか振り返ってみましょう。
R5

R4

R3

R2

R1

H30
①道路事業の計画段階配慮書
②風力発電所建設事業の調査・予測及び評価手法

H29
①第1種事業の環境アセス(環境保全措置~回避低減、代償措置)
②歴史まちづくり

H28
①第1種事業の環境影響評価(環境要素ごとの環境保全措置)
②低炭素まちづくり計画

H27
①建設事業における外来種対策
②第1種事業における工事中の環境影響評価

H26
①計画段階配慮書
②土壌汚染対策

H25
①希少種への影響予測と環境保全措置
②生活環境への影響予測と環境保全措置

これはもうなんといっても環境アセスですね。R5も1問はアセスでした(R4では2問とも!)。しかも方法書、あるいは方法書以降の手続きばかりですね。
環境影響評価法に基づく手続きはもちろん、法アセスに満たない規模も含んだ建設事業にかかる環境配慮(環境負荷低減)に関する手続きが問われています。そしてそのなかでは方法書以降の手続き、特に環境保全措置についてよく問われています。
これは受験要件を満たした建設環境分野の技術者であれば当然これまでに実績、経験を積んでいるはずです。
建設環境の技術者は大きく、自然環境系、生活環境系、環境影響評価系に大まかに分けられますが、いずれの技術者でも回答できるはずの出題内容となっています。

令和6年度の試験対策としては、
(1)まず法アセスの手続きの流れをしっかり頭に叩き込むこと
(2)ご自分が経験した(あるいは資料が入手可能な)環境アセスの一連の流れ(計画段階から環境保全措置、その後の事後調査まで)とその内容を概略で結構ですのでチェックしておく

そのほか、
(3)建設事業による環境負荷を低減する技術(つまり環境保全措置)について、その実施手順と留意点を整理しておく
(4)さらに事業の前提条件として「第1種事業」であることがたびたび出題されています。仮に事業規模が指定されていなかったとしても第1種事業で記述してもOKなのですから(たぶん)、この機会に第1種事業の規模は抑えておきましょう。特にご自分が取り上げる予定の事業においては、しっかりと数字(kmだとかhaだとか車線数だとか)を頭に入れておいてください(覚えやすい数字になっています)。なお高速道路建設事業は規模指定がないのでイイかもしれません。

もういっこのアセスじゃないほうは、何が出るのかわかりませんね。毎回、これが楽しみでもあります(笑)
R2の災害復旧(「美しい山河を守る災害復旧基本方針」ガイドライン)はズバリ的中!したのでとてもキモチよかったです(笑)。R5の海の再生計画もわたしの本業ズバリそのものだったので小躍りしたものです(試験監督しながら「オレも回答してぇなぁ~」と思いました)。
逆にR3の地盤汚染、R1の便益計測手法、H29の歴史まちづくりなんかは予測できるわけないですね。

令和6年度のアセス以外の予想としては(昨年に予想したものと同じですが)、まちづくり&防災減災系でグリーンインフラ計画が出題されると面白いですね。国土交通グリーンチャレンジも打ち出されています。防災減災に加えて、都市の緑空間の保全・活用によって潤いのある豊かなまちづくりというのもグリーンインフラと言えますし、受験者の職種を問わないので出題しやすいと思います。
あとはH27にも出ましたが、やっぱり外来種対策でしょうか。意外とそろそろ出るような気がしないでもありません(←出題されたらアタッタ!と大騒ぎするんでしょうね(笑))。

とにかく、
Ⅱ‐2の回答については、APECさんは「業務計画書を作る感覚で」としています。特記仕様書兼作成手順書(問題文です)に沿って業務計画書(回答論文です)を作成するように書き上げればいいと思います。

わたしの講座です。論文の添削を受けたい方はぜひどうぞ。

2024年6月3日月曜日

令和6年度技術士第2次試験 要チェック分野まとめ(Ⅱ--1)

6月になりました。
いよいよ筆記試験が迫ってきましたね。皆さん、準備は進んでいますでしょうか。さすがにまだ何もしていない、というひとはいないと思いますが、(そんなひとも)これから筆記試験までラストスパート頑張ってください。ここで最後のダッシュをかけられるかどうかで決まるといっても過言ではありません。
というわけで、たいへん遅くなりましたが(昨年度を除き)これまでわりと的中させたような気でいる当ブログの人気投稿記事ともいえる過去問出題ジャンルまとめと出題予想をこれからしばらく連載します。
もちろんアタルこともあればハズレることもあるわけで、当然ながらご自分でもいろいろと思いめぐらせながら試験問題、出題ジャンルを考えてみて下さい。

【沖縄県宮古島市 池間島】

まずは建設環境科目のⅡ-1から過去問を振り返ってみましょう。
①健全な水循環に向けた取組(課題と対応策)
②使用済み太陽光パネルの処理(課題と対策)
③道路緑化による景観向上機能と環境保全機能
④景観地区制度

事前予想としては、洋上風力発電、工事中騒音、建設リサイクル、外来種、底質DO、生物多様性、ブルーインフラを取り上げており、当たった!というものはひとつもありませんでした。。。。。
これまで4つのうち1つや2つはカスっていたんですけどね。スミマセン。
でも、景観地区制度は制度について知らなかったらなかなか厳しいものがありますが、水循環とか太陽光パネル廃棄物、あるいは道路緑化の機能については、持てる知識を総動員すればなんとか対応できるのではないか(建設環境の技術者なら対応してほしい)とも思います。無理やりでも頭の片隅から引っ張り上げて、なんとか答案用紙1枚ぶんを絞り出して下さい!そういう意味ではそこまで難しい問題ではなかったと思います。

①道路または鉄道の騒音対策
②猛禽類の「前倒環境調査」
③Eco-DRR
④建設発生土と建設汚泥

①富栄養化がもたらす魚類の生息環境の悪化
②2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略
③SDGs、建設部門における生物多様性保全に向けた取組
④太陽電池発電所アセス

①再生可能エネルギー発電施設の環境アセス(存在又は供用)
②特定建設資材廃棄物の再資源化促進策
③土壌汚染の除去等の措置
④国土のストックとしての価値向上における取組

①建設リサイクルと建設発生土(有効利用と適正処理の方策)
②騒音発生源対策(の技術的留意点)
③多自然川づくり(の技術的課題)
④環境影響評価法(における計画立案段階から準備書まで)の手続き

①低周波音とその対策
②底層溶存酸素量とその改善策
③再生可能エネルギーの導入状況と太陽光発電事業の課題
④建設事業における外来種対策と留意点

①外来種防止行動計画
②閉鎖性海域の環境保全目標
③気候変動を考慮した防災対策、減災対策
④土壌汚染による有害汚染物質の摂取経路

①湖沼やダム湖の富栄養化対策
②建設発生土のリサイクル
③騒音対策
④生物多様性民間参画

①生態系サービス
②再生可能エネルギー
③景観重要公共施設制度
④廃棄物最終処分場跡地

①生物多様性4つの危機
②ヒートアイランド現象
③循環型社会
④下層DO

①環境再生における順応的管理
②改正環境影響評価法
③建設リサイクル
④生態系ネットワーク

でした。
単純にまとめると、
●環境アセス手続き
●再生可能エネルギー(に係るアセスや環境保全措置)
●生物多様性の取り組み
●外来種対策
●建設リサイクル
●土壌汚染対策
●騒音の現状と環境保全措置
●富栄養化対策(水質浄化対策)
●景観

が繰り返し出題されています。
これが建設環境の基本的な専門分野だということがわかります。
上記分野は傾向もヘッタクレもありません。基礎の基礎、専門のなかの専門として習熟しておいてください。
そしてこの分野については過去1~2年くらいで改正された法律や更新された技術マニュアルなんかがあれば要チェックです。

試験方法の概要が示されている「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について 」によると、Ⅱ‐1で問われている『専門知識』とは「選択科目」における専門の技術分野の業務に必要で幅広く適用される原理等に関わる汎用的な専門知識、とあります。
出題内容は 「選択科目」における重要なキーワードや新技術等に対する専門知識を問う
評価項目としては、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,コミュニケーションの各項目、とあります。
「重要なキーワード」や「新技術」というのがミソですね。
その「重要なキーワード」や「新技術」を手掛かりに、昨今の話題なども鑑みると令和6年度は以下のようなあたりになるんじゃないかと予想しました(とはいえ昨年の予想とほぼ同じなんですが。。。)。

①ブルーインフラ ←昨年度はこれ系のものは出題されなかったので今度こそ出題されるのではないでしょうか。国交省が推している海版グリーンインフラであるブルーインフラあたりはやっぱり匂いますね。
②生物多様性 ←昨年3月に生物多様性国家戦略2023-2030が出ましたからね。概要は抑えておいてくださいよ。環境部門自然環境保全ではもう必出になると思いますが、建設環境でも出題される可能性が高いと思います。
③外来種対策 ←外来種対策、ここ数年出題がありませんのでそろそろ出るかもしれませんね。上記の生物多様性国家戦略に絡めて出題されることもあるかもしれません。そしてアカミミガメ及びアメリカザリガニに関する防除マニュアル等も出ましたよね。
④既存インフラ等を活用した再エネ導入 ←昨年度は太陽光発電(のパネル処理)が出ましたが、●●発電に特化したものではなく再エネ全般を網羅できる出題となるかもしれません。Ⅱ-1じゃなくてⅢのほうで出題されそうですが。。。
⑤工事中騒音 ←昨年度は騒音振動モノが出題されなかったので今年はどうでしょうか。工事中の、つまり工事用資材等の搬出入・建設機械の稼働に係る騒音及び振動といったあたりはいかがでしょうか。
砂浜保全 ←マニアックすぎますが、久しぶりに出題されていもいいのではないかと思っています。国交省で気候変動を踏まえた海岸保全のあり方についても検討されています。これが当たるとキモチイイだろうなぁ。
⑦建設リサイクル2020(廃プラスチックの分別・リサイクルの促進) ←いよいよ昨今話題の廃プラ問題、海洋プラスチック問題に絡めた出題があるのでは?ちょっと環境部門寄りすぎるかもしれませんが。。。

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